女子テニスのW&Sオープン(アメリカ/シンシナティ、ハード、WTA1000)は17日にシングルス3回戦が行われ、第1シードの
I・シフィオンテク(ポーランド)が世界ランク24位のジャン・チンウェンを3-6, 6-1, 6-1の逆転で下し、大会初のベスト8進出を果たした。しかし、試合後にシフィオンテクは誹謗中傷を受けたことを明かし「本当に馬鹿げている」と苦言を呈するとともに、配慮を求めた。
>>アルカラス、ジョコビッチらシンシナティOP組合せ<<世界ランク1位のシフィオンテクが同大会に出場するのは5年連続5度目。最高成績は昨年のベスト16となっていた。
今大会は上位8シードが1回戦免除のためシフィオンテクは2回戦から登場。2回戦では世界ランク34位の
D・コリンズ(アメリカ)を下し3回戦に駒を進めた。
3回戦の第1セット、セカンドサービス時のポイント獲得率が13パーセントに留まったシフィオンテクはジャンに3度のブレークを奪われリードを許す。
それでも第2セット以降は立て直したシフィオンテク。第2セットとファイナルセットでは被ブレークを1度に抑え、リターンゲームでは6度のブレークに成功し、2時間10分で逆転勝利を収めた。
しかし、女子テニス協会のWTAは試合後にシフィオンテクのコメントを掲載し、シフィオンテクは自身がセットを落としただけで誹謗中傷を受けたことを明かし、配慮を求めた。
「1セット落としただけで私や私のチームが受ける憎しみや批判は本当に馬鹿げているわ。インターネットでコメントするときはもっと思慮深くなるよう、みんなに促したい」
「一緒に仕事をしている仲間や私自身が誹謗中傷されているのを見るのはちょっと悲しい。もっと思慮深くなり、自分たちがやっていることのポジティブな面にも目を向けるよう、人々に勧めたい。今日、試合の出だしは良くなかったけれど、私がどのように問題を解決し、どのようにピンチを切り抜けたかを見てもらいたい」
「ドバイとドーハでの大会で勝ち上がって決勝に進出したときもそうだった」
「私は自分の成績にかなり誇りを持っていたけれど、人々は本当に最後の試合だけをみていて、私が決勝で負けたところだけをみた」
「私のファンかどうかはわからないけど、私にもっといいプレーをしてほしいと思っている人たちがいて、そういう人たちを無視するためにエネルギーを浪費してしまっていることに気づいた」
「私たちがどれだけの努力をしているか、私やチームがどれだけの犠牲を払っているか知っているから、それは不必要なことなの。みんなにはそこをみてほしいし、直接的な批判はしないでほしい」
これには世界ランク5位の
O・ジャバー(チュニジア)も同意し「イガ(シフィオンテク)がそのことを話してくれてうれしい」と述べた。
「正直、勝っても負けても、何をしてもヘイトメッセージは届く。この地球上にもっと多くの人情、良い人々が必要だけど、一部のベッター(賭け事をする人)のメンタリティを変えることはできないと思う。彼らは人生で何もすることがなく、ただお金を使っているだけで、おそらく、イガがセットで負けたことでいくらか負けたんだろう」
「私はイガを知っている。彼女は強いし、そういう人たちは恐ろしい。地球には恐ろしい人たちがいる。私たちはどうすればいい?前に進むの。彼らはこうして会見で批判され、私たちは前に進む」
スポーツベットとスポーツ選手へのヘイトメッセージ関する問題は以前から課題となっており、世界1位のシフィオンテクやジャバーの発言は重く受け止める必要がある。
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