21日、グランドスラムの解説でお馴染みのフローラン・ダバディ氏がtennis365.netのインタビューに応じ、2016年のベストマッチ1位は
S・ワウリンカ(スイス)の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)と述べた。
「
N・ジョコビッチ(セルビア)との決勝だけでなく、全米オープントータルで1位」とワウリンカを絶賛したダバディ氏は、「開幕直前のイベントでインタビューした際、ワウリンカは準備が出来ていなくてイライラしていた」と当時の状況を明かした。
迎えた全米オープン、1・2回戦はストレート勝ちしたが、
D・エヴァンス(英国)との3回戦ではマッチポイントを握られた。
「1週目は試行錯誤で、エヴァンスには第4セットでマッチポイントを握られた。その中で、彼(ワウリンカ)は集中して1ポイント1ポイント戦った。ある意味、最悪だった1週目を乗り越えて、途中でエンジンがかかった」とダバディ氏が述べるように、フルセットでエヴェンスを振り切ったワウリンカは、4回戦で
I・マルチェンコ(ウクライナ)を6-4, 6-1, 6-7 (5-7), 6-3、準々決勝では手首の怪我から復活した2009年の全米王者
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)を破り、2年連続の4強入りを決めた。
そして準決勝は、
A・マレー(英国)を破り勢いに乗る
錦織圭と激突した。
ダバディ氏は「第1セットは錦織の完璧なテニスに屈して第1セットを落とした。けど、第2セットの序盤で錦織に握られたブレークポイントをしのぐと、1セット目の嵐が過ぎ去るのを待ったワウリンカは、重いボールを打って(錦織を)コートから追い出してチャンスをものにした」と話すように、ワウリンカは4-6, 7-5, 6-4, 6-2の逆転で大会初の決勝進出を果たした。
試合後の会見で「自分のベストテニスが出来れば、圭(錦織)に勝てる自信がある」とコメントしていたワウリンカが印象的だと述べたダバディ氏は、以下のように2人の準決勝を振り返った。
「ワウリンカは試合中にずっと錦織を見ていたようで、ポーカーフェイスの錦織が下を向いたりしていたことを見逃さなかった。スライスを使い、錦織の得意なバックハンドのダウン・ザ・ラインを打たせないようにした。そして、パワーのあるフォアハンドのヘビーボールで疲れている錦織へさらにダメージを与え、そこからバックハンドのダウン・ザ・ラインを決めていた」
その後、ジョコビッチとの決勝戦を6-7 (1-7), 6-4, 7-5, 6-3の逆転で勝利したワウリンカは、大会初優勝。四大大会では3勝目をあげた。
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