国内テニスツアーの全日本選手権で7度の優勝(最多記録)を誇り、味の素ナショナルトレーニングセンターの副センター長を務めるなど多方面で活躍されている福井烈氏が15日、tennnis365.netの独占インタビューに応じ、「今年で1番印象に残ったことは
錦織圭がオリンピックで銅メダルを取ったこと」と振り返った。
8月に行われたリオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)準決勝で世界ランク1位の
A・マレー(英国)に敗れた錦織だったが、続く3位決定戦ではそれまで1勝9敗と大きく負け越していた
R・ナダル(スペイン)を破り、
熊谷一弥以来となる日本勢96年ぶりの銅メダルを獲得した。
「オリンピックの全競技の中で日本が1番最初にメダルを取った種目はテニスなんですよ。それを、今でこそ錦織がコメントしてくれたので知っている方も多くなってきたんですが、彼が言うまでは多くの方が知らなかった。」
「1920年のアントワープオリンピックで熊谷さんと柏尾誠一郎さんがシングルスとダブルスで銀メダルを取ったんです。それ以来、正式種目から外れていた時代もあり、復帰後もテニスはメダルが取れませんでした。2020年のオリンピックは東京なので100年かけてメダルをっていう気持ちがあったところを、幸いなことに錦織がその前にメダルを取ってくれた。これがもう、なんといっても今年の本当に大きな出来事でした」と、力強く語った福井氏。
続けて「特に、準々決勝の
G・モンフィス(フランス)戦のファイナル・タイブレーク。0-4、3-6、マッチポイント3本あって、そこから5ポイント連続で取ったあの瞬間はしびれました。準決勝のマレー戦は完敗したが、3位決定戦でナダルにも6-2, 5-2からセットを取られて、そこからまた盛り返してと、とにかくこんな凄い瞬間に立ち会えたんだという気持ちでした。」
「強烈な感動と刺激を覚えた試合だったし、そんなオリンピックでした。これが今年1番印象に残るテニスのシーンでした」と、今年最大のトピックスをあげた。
また、錦織の今後については「2017年は今年以上にチャンスは大きいと考えています。いかに準々決勝くらいまでいい形で勝ち上がっていくか、良いフィジカルで戦えるか。フィジカルのレベルも年々確実に上がってきているので、楽しみですね。注目だと思います」
「ATP1000で優勝出来ると、そこが転機になるのかなと思います。でも、今年は自身最多勝利数など、これだけ勝っていたらすでに究極のところまできていると思います。相手も研究してくるわけで、それに対して研究される上のことをやっているわけですから、全体的なことを考えるとテニスは凄く良くなっていると思います」
続けて「今は2強になっていますけど、私はそこに錦織が入ってくる可能性が高いと思っています。2017年が終わった時には3位以上に入っていてほしい」と、錦織の可能性を語った。
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