テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は7日、男子シングルス準々決勝が行われ、2009年覇者の
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)は第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)に6-7 (5-7), 6-4, 3-6, 2-6で敗れた。試合が終了する前には、既に感極まって涙を浮かべていた。
>>全米オープン対戦表<<度重なる両手首の手術でこの数年間は苦しい時間を過ごしていたデル=ポトロ。今季はかつてのプレーを取り戻し始め、リオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)では1回戦で
N・ジョコビッチ(セルビア)を下し、そのまま決勝進出を果たして銀メダルを獲得した。
ワウリンカとの準々決勝、第4セット第8ゲームでは深夜1時を過ぎ疲れが見えるデル=ポトロは敗戦を覚悟したように目から涙を流して感慨にふけっていた。
アーサー・アッシュ・スタジアムでは、観客から「オレ、オレ、オレ、デルポ、デルポ」とデル=ポトロへ向けて大きな声援がおさまらなかった。
「試合には負けてしまったが、この試合は一生忘れないだろう。何よりも大きなものとなった。大勢のファンが今夜幸せな気持ちにさせてくれた」と素直な感想を述べた。
リオデジャネイロ・オリンピック1回戦でジョコビッチを下した後も嬉し涙を流したデル=ポトロ。その後は準決勝で疲労の見えた
R・ナダル(スペイン)を下し、決勝戦では
A・マレー(英国)に敗れるも銀メダルを獲得。涙の多いオリンピックとなった。
怪我のため世界ランキングを142位にまで落としているデル=ポトロは、2013年以来となる今年の全米オープンは主催者推薦を受けての出場だった。
この勝ち上がりで、週明けのランキングではトップ65入りが確定し、グランドスラムは主催者推薦がなくても出場出来るようになる。
「今はトップ選手と同じレベルで戦えるようになっている。既にジョコビッチやナダルも倒した。マレーとも素晴らしい試合が出来た。ワウリンカは世界3位の選手。そこに辿り着けたような気がする。それは自分にとって、とても大きな意味がある。けど、これからもより上を目指さなければならない」と現状の手応えを感じつつ、向上心も覗かせていた。
(STATS - AP)
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