男子テニスツアーのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)で第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は、世界ランク22位の
B・トミック(オーストラリア)が1回戦で相手にマッチポイントを握られた際の振舞いに対し、厳しい姿勢を見せた。
>>マドリッド・オープン対戦表<<トミックは1回戦で
F・フォニュイーニ(イタリア)に2-6, 4-6のストレートで敗れた。その試合でフォニュイーニにマッチポイントを握られたトミックは、ラケットを逆に持ち変えて明らかにプレーを続けない行動をとった。最後はサービスエースを決められ、ボールを見送っていた。
その後、トミックは地元オーストラリアのメディアのインタビューで、その時のことを語り、23歳にして1,000万ドル(約10億7,000万円)も稼いでいたら、あの時のマッチポイントはそれほど気にしないと語った。
トミックと親交のあるジョコビッチは、マッチポイントで見せたトミックの態度について、それは正しくはないということを分かってほしいと述べた。
「彼(トミック)はまだ若いし、今より確実に良い選手になれる。誰もがそれは分かっている。彼自身だって分かっているはず。でも、彼はそれをしっかり受け止めていないように見受けられる。」とジョコビッチは自身の強い想いを語った。
トミックとは以前から交流があり「もっと良い行動をとってもらいたい。彼はとても良い人間なんだ。」とジョコビッチ。
オーストラリアのメディアによると、トミックは「23歳にして10億円以上稼いでいたら、試合の結果などはどうでもいい。」と語っていたと伝えられている。
ジョコビッチは、トミック自身がそう語ったのを聞いたことがないとしながらも、そんなことは言うべきではないと述べた。
「彼が話す多くのことは、彼にとって良い考えではないものばかり。すぐに感情的になってしまう。きっとコート外でも、自分自身が作り出す多くのプレッシャーを感じ始めてしまっているのだと思う。」
今年の1月に世界ランキングで自己最高の17位を記録したトミックは、2月のアカプルコ大会で決勝進出を果たし、
D・ティエム(オーストリア)に敗れるも準優勝を飾った。しかし、それ以降は4大会連続で上位進出を逃している。
ジョコビッチは「今は彼にとって、そして他の若い選手にとって、勉強の時なのかもしれない。自分自身も相応しくない行動をとってしまったり、その後に後悔するような時は、これまでも何度も何度も肌で感じてきた。そんな経験から成長するし、完璧な人などいない。」と自分のこれまでの人生を振り返り、トミックにアドバイスをした。
(STATS - AP)
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