5月1日に開幕した男子テニスツアーのムチュア・マドリッド・オープン(スペイン/マドリッド、レッドクレー、ATP1000)に第5シードでエントリーしている元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)は、クレーコートシーズンに入って2大会連続優勝を飾り復活を印象付けた。
>>マドリッド・オープン対戦表<<ここ数年、怪我や病気から復帰したが思うような成績が出せずにいたナダル。しかし、今年のクレーコートシーズンではモンテカルロで約2年ぶりのマスターズ優勝を飾ると、続けてバルセロナ・オープンで3連覇がかかった
錦織圭を決勝戦で下して大会9度目の優勝を果たし復活をアピールした。
圧倒的な強さを見せていた全仏オープンへ向けて、今大会はその強さを証明する戦いとなる。
「ここ最近はとても良いプレーが出来ている。しかし、それには結果も求められる。」と大会に先駆けて開催されたプロモーション・イベントの席でコメントした。
今大会には、世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)を始め、前年度チャンピオンの
A・マレー(英国)や過去3度の優勝を誇る
R・フェデラー(スイス)らトップ10選手が出場する。
昨年、ナダルは決勝へ進出するも、マレーに敗れて準優勝に終わった。
前年度チャンピオンのマレーは「どんな選手も、過去の絶好調の時期と同じようなプレーが出来ない時もある。ラファ(ナダル)は今でもクレーコートで最高の選手の1人。そしてコートの上でも外でも激しいトレーニングを積んでいる。」
「去年から、彼は色々なことに努力している。ベストの状態に戻ったかというのはまだ難しいところだが、それは近々分かることだろう。」とナダルについて語った。
マレーは、ナダルの故郷であるマヨルカ島にあるナダルのアカデミーで練習していた。
マレーにとって、昨年の同大会の優勝はクレーコートでの初のマスターズ優勝となっていた。
「昨年、マドリッド・オープンへ向けての準備は、それまでのクレーコートで行っていたものと比べて恐らく最高だった。それまでにないくらい激しい練習をこなして準備していた。新しいサーフェスへ準備がしっかり出来ていると確信出来るくらい全てのことをした時は、それなりの自信を持って大会へ臨める。」とマレーは昨年を振り返っていた。
2012年に優勝しているフェデラーは、大会直前になって出場を表明。当初予定していたスケジュールには、今大会が含まれていなかった。しかし、フェデラーは全仏オープンへの準備大会として新たに今大会への出場を決めた。
昨年は2回戦で
N・キリオス(オーストラリア)に敗退。フェデラーにとってクレーコートで今季2大会目で、初戦だった先月のモンテカルロ・マスターズでは準々決勝で
G・モンフィス(フランス)に敗れた。
今年のドローでは順当に勝ち上がると、フェデラーとナダルが準々決勝で顔を合わせる組み合わせ。
世界ランク1位のジョコビッチは、2011年の同大会で1度だけ優勝を飾っており、今季は既にインディアンウェルズとマイアミのマスターズで優勝している。
今季のクレーコート最初の大会として出場したモンテカルロ・マスターズでジョコビッチは、初戦で当時世界ランク55位の
J・ヴェセリ(チェコ共和国)にまさかの敗戦を喫した。この3年間、ジョコビッチが2回戦で姿を消したことはなかった。
ジョコビッチは初戦の2回戦で、
N・アルマグロ(スペイン)と
B・チョリッチ(クロアチア)の勝者と対戦する。クレーコートを得意とするアルマグロは、1日まで行われたエストリル・オープンで優勝を飾っている。また、19歳のチョリッチは現在トップ40選手うちの最年少で、伸び盛りの選手。
ナダルはバルセロナ・オープン優勝後、忙しい1週間を過ごしていた。
この夏に行われるリオ・オリンピックでスペイン代表団の旗手として任命され、フランスの健康・スポーツ省とR・バシェロ元大臣を名誉毀損で訴えを起こしたことを公にしていた。バシェロ元大臣は出演したフランスのテレビ番組でナダルがドーピングしているはずだと疑惑の発言。
その発言を受けてナダルは、国際テニス連盟(ITF)の会長へ、これまで受けたドーピング検査の結果と血液履歴の記録を全て公にして欲しいとするリクエストを書いた手紙を送っていた。
(STATS - AP)
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