女子テニスで世界ランク49位の
C・ジョルジ(イタリア)は、地元イタリア・テニス協会との不仲から、この夏に開催されるリオデジャネイロ・オリンピックへの出場が白紙状態となっていることが明らかになった。
イタリア・テニス協会のA・ビナギー会長は「ITF(国際テニス連盟)のルールで、選手は祖国のテニス連盟と良い関係を築いていることがオリンピックへの出場条件だとしている。私から見ると、ジョルジはその条件に見合っているとは思えない。」とする見解を12日に示した。
それを受けてジョルジは、来月にイタリアのローマで開催されるBNLイタリア国際女子への出場を見送る気持ちがあると示唆している。
先月ジョルジは、協会との関係を絶つ旨の短い声明を発表しており、今週末に行われる女子国別対抗戦のフェドカップのワールドグループ入りをかけた入れ替え戦へ出場しない意向も明らかにした。ジョルジはそれに代わって、同時期にドイツで行われるポルシェ・テニス・グランプリの予選に出場する。
ジョルジの父親でコーチも務めているセルジオは「彼女(ジョルジ)が前向きになれるような良い大会へ出られるために、ちょっとした休みが欲しいとお願いしただけ。多くの選手も、これまでにしてきたようにね。嫌悪感や否定的な気持ちを払拭出来れば、彼女にとってプラスになるはず。ただ静かな環境が必要だと思っている。」と状況を説明していた。
同時にジョルジは、協会がティレニアに所有している施設で練習をしていないことも明かした。
「我々を出入り禁止にしている。」と語っているが、アルゼンチン出身のセルジオは家族でイタリアから出ることは考えていないとも述べた。
ビナギー会長は11日にセルジオへ手紙を出したと語った。それは、セルジオが契約違反を犯したことから16万ユーロ(約1,980万円)の損害賠償を求め、ジョルジ親子に懲戒手続きを開始することも求めている。
「損害賠償の支払いを待っているが、それはなされないだろう。なので現時点では、このような人とは良い関係を築くのは難しいと判断している。我々はここまで何年にも渡り彼女(ジョルジ)を支えてきた。しかし、彼女はちょっと試合に勝つと、我々のことを忘れてしまった。」とビナギー会長は胸の内を明かした。
10日に行われたカトヴィッツ・オープンの決勝戦で第8シードの
D・チブルコワ(スロバキア)に4-6, 0-6のストレートで敗れたジョルジは、これで3年連続で同大会での準優勝となった。
今週末に行われるフェドカップの入れ替え戦には、世界ランク74位の
K・ナップ(イタリア)がジョルジに代わって選出されており、
R・ビンチ(イタリア)、
S・エラーニ(イタリア)、
F・スキアボーネ(イタリア)らと顔を並べる。
これまでジョルジはフェドカップにイタリア代表として出場しており、3勝5敗の成績を残している。リオデジャネイロ・オリンピックには、ランキングから上位56名がエントリー出来るため、現在のランキングでは出場が可能な位置。
イタリアのメディアはセルジオを批難。ジョルジはセルジオに代わる新しいコーチが現れると、ジョルジの才能をフルに発揮されるはずだと報道している。
「そんなことでは何も痛手を感じていない。もう慣れた。全くおかしな話で、彼女も笑っている。全く問題はない。言いたいことを言えば良いさ。」
セルジオは自分の娘が将来世界のトップ5に入れると確信しており「いつかは分からない。しかし、彼女は必ずそこに辿り着く。」と力強く語っていた。
(STATS - AP)
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