男子テニスツアーのATPワールド・ツアー500大会であるバルセロナ・オープン・バンコ・サバデル(スペイン/バルセロナ、クレー、賞金総額2,265,235ユーロ/優勝賞金457,550ユーロ)は26日、シングルス決勝が行われ、世界ランク5位で第1シードの
錦織圭(日本)が世界ランク66位の
P・アンドゥハル(スペイン)に6-4, 6-4のストレートで勝利し、大会初の2連覇を成し遂げキャリア通算9勝目をあげた。
地元スペインの選手であるアンドゥハルとの対戦はタフな試合内容となった。
両者は今回が4度目の対戦となり、錦織が勝利したことで対戦成績を3勝1敗とした。
第1セット、錦織はサービスが安定せず、第1ゲームでアンドゥハルにブレークを許す。だが第2ゲームで錦織がアンドゥハルのミスを誘い、ラブゲームで早くもブレークバックに成功。
第3ゲームでは、錦織のストロークミスも見られたが、コースをつき、緩急をつけた多彩なプレーで2度目のデュースの末サービスキープする。
その後は両者サービスキープが続き、第10ゲームで錦織がラリーで粘りを見せブレークに成功し、第1セットを46分で先取する。
このセットでは、錦織のファーストサービスが入った時に78パーセントの確率でポイントを決めており、ファーストサービスが入った時は流れをつくることができていた。
錦織のサービスで始まった第2セット、錦織はこのセットも第1ゲームでブレークを許し、1ゲームを追う展開となる。
その後、第7ゲームでこの試合初めてラブゲームキープに成功する。続く第8ゲームで錦織はアンドゥハルのロブを豪快にスマッシュし、最後はサーブアンドボレーでネットにつめるアンドゥハルに対しリターンを沈め、アンドゥハルのボレーミスを誘い、ブレークバックに成功する。
勝敗を決めた第10ゲームでは、最初アンドゥハルに2ポイント連続で決められるも、3ポイント目にアンドゥハルがドロップショットをネットミス。そこから流れが変わり、4ポイント目はアンドゥハルのボールはネットにかかりラインを割る。5ポイント目はダブルフォルト、錦織のマッチポイントが訪れる。
最後は錦織のバックハンドのリターンエースで締めくくり、1時間34分で勝利し、大会初の2連覇を達成した。
錦織は試合を通して、ファーストサービスの確率が55パーセントと低く苦しむも、ファーストサービスが入った時70パーセントの確率でポイントを獲得し、6度のブレークチャンスから4度のブレークに成功した。
試合後のスピーチで優勝した錦織は、最初のコメントをスペイン語で「こんにちは、勝つことができてとても嬉しいです。」と話して会場を沸かした。
その後は英語に戻し「バルセロナは応援してくれる皆も素晴らしく、地元のようにプレーすることができ嬉しく思います。そして良いプレーが出来て満足しています。」
「パブロ(アンドゥハル)おめでとうございます。素晴らしいプレーでした。チーム、スポンサー、大会関係者の皆様、素晴らしい大会にしてくれてありがとうございます。また来年戻ってきます。ありがとうございました。」と話した。
一方敗れたアンドゥハルは「1週間ありがとうございました。皆さんの応援が力になりました。チームの皆、大会関係者の皆様ありがとうございました。錦織選手おめでとうございます。本当に素晴らしい活躍ですね。次は勝てるように頑張ります。また来年もここに戻って来れるよう頑張ります。」と錦織を称えた。
今回錦織が大会連覇を果たしたことによって、今季2勝目、また、
クルム伊達公子(日本)のキャリア8勝を抜き、日本選手単独最多となる通算9勝目となった。
錦織の次戦は、5月3日から行われるムチュア・マドリッド・オープン男子に出場を予定している。
昨年のマドリッド・オープン決勝で錦織はクレーキング
R・ナダル(スペイン)と対決し、マスターズ初優勝の寸前で怪我が悪化、無念の途中棄権とした。
《錦織vsナダル 2014年マドリッド・オープン決勝》昨年は惜しくも準優勝という結果となったが、今年は今のところ大きな怪我もなく、今大会のクレー2連覇の達成で、更なる自信をつけ昨年のリベンジに期待がかかる。
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