イタリアのブリンディジで行われている女子国別対抗戦のフェドカップのイタリア対アメリカのワールドグループ入りをかけたプレーオフで、18日に行われたシングルスで世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)が
C・ジョルジ(イタリア)を7-6 (7-5), 6-2で下し、祖国アメリカへ1勝をもたらした。
19回のグランドスラム優勝を誇るセリーナは、今季ここまで負け無しの好調を続けており、フェドカップでも出場した試合全てで勝利を飾る記録を持ち、この日も序盤でこそ苦戦を強いられるもストレートで勝利を飾った。
赤、白、青のカラフルなウエアーに身を包んだ33歳のセリーナは、敵地でのアウェーの雰囲気の中にも関わらず、約20年のプロ生活の経験を生かすプレーを披露し、今季初のクレーコートでの試合を白星で飾った。
「良く戦えたと思う。彼女(ジョルジ)は本当に良いプレーをしていたけど、そこで踏ん張る事ができた。ネガティブにならず、常にポジティブな気持ちを持ち続け、ベストなプレーを心掛けたの。ここまでの人生でも一生懸命やって来たけど、そんな経験が役にたったのかも知れない。」とセリーナは勝因を語っていた。
一方、23歳のジョルジは「自分のテニスは天性のもの。でも大切な場面でミスを2本犯してしまった。」と第1セットのタイブレークで5ー5から2連続でのフォアハンドのミスを悔やんでいた。
そして「2本のミスは、それほど多いミスではないけど、それを犯す場面によってはとても重要なものになってしまう。タイブレークの終盤での2つはとても大きなポイント。それでも今日のプレーには後悔はないわ。」と自身の感想を加えていた。
これでセリーナは今季の成績を19勝0敗とし、フェドカップでの成績も15勝0敗とした。出場した大会で唯一優勝していないBNPパリバ・オープンでは、準決勝前に膝の怪我を理由に棄権していた。
イタリア・チームのC・バラズッチ監督は、ブリンディジを故郷とする
F・ペネッタ(イタリア)ではなく、ジョルジを第2シングルス要員として抜擢した。そんな監督の気持ちに答えるように、第1セットではセリーナのパワーに負けないプレーを見せていた。
それを証明するかのように、第1セットでは、ジョルジはセリーナと同じ17度のウィナーを決めていた。
しかし、イージーミスではジョルジの15度を上回る18度を記録したセリーナは、試合が進むにつれてイライラを露にし、ポイントを取ると「カモン!」と言う雄叫びを何度も上げて自分自身を奮い立たせていた。4,000人で埋め尽くされた会場からは、「イ・タ・リ・ア、イ・タ・リ・ア」とジョルジへの声援が沸き起こり、ジョルジが鮮やかなウィナーを決めるとセリーナも拍手を送る場面も見られた。
アメリカ・チームのM・J・フェルナンデス監督も「本当に最高の試合だった。ジョルジは試合を通して素晴らしいプレーをしていた。セリーナもしっかり戦ってタイブレークでは安定したプレーを見せてくれた。特にタイブレークでセリーナは、良いサービスを打っていた。それが勝ち取った要因だと思う。」と両者のプレーを称賛していた。
第2セットは序盤からセリーナのペースとなった。
セリーナは「クレーコートであまりプレーをしていなかったから、それが序盤で苦戦を強いられた原因になったのだと思う。もちろん、彼女もとても良いプレーをしていた。組み立ても最高だった。彼女はそんな選手。常に向かってくるプレーをしている。」とジョルジへの印象を語っていた。
第2試合ではイタリアのエースである
S・エラーニ(イタリア)が
L・デイビス(アメリカ)を6-1, 6-2で下し、勝敗を1勝1敗として初日を終えた。
「初日を1勝1敗で終われたらと願っていた。そしてその通りになった。」と、バラズッチ監督は初日の勝敗に満足していた。
日曜日にはリバース・シングルスが行われ、セリーナはエラーニと、デイビスがジョルジと対戦する。しかしバラズッチ監督は試合前まで選手交代が可能なため、ジョルジに代えてペネッタを起用する可能性もある。
最後に行われるダブルスには、アメリカから
C・マーケイル(アメリカ)と
A・リスケ(アメリカ)が、一方のイタリアは
K・ナップ(イタリア)とペネッタの布陣が予定されている。しかしフェルナンデス監督はセリーナをダブルスにも起用する可能性を示唆していた。
勝ったチームは来年のワールドグループ入りが決まり、世界の頂点を目指して戦う。負けたチームはワールドグループ2部での戦いとなる。
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