男子テニスツアーのマスターズ大会であるBNLイタリア国際男子(イタリア/ローマ、レッドクレー)は18日、シングルス決勝が行われ、第2シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は第1シードの
R・ナダル(スペイン)を4-6, 6-3, 6-3の逆転で下しタイトルを獲得し、この優勝を祖国セルビアを襲った豪雨の被害者へ捧げると語った。
試合後、自身のラケットでハートをコートに描いたジョコビッチは「コートのこのハートは、あなた方への物です。同時に祖国セルビアへの特別な思いです。今、セルビアは大変な被害にあっています。私の心は被害者の方々と共にあります。」と、優勝スピーチで思いを語った。
今月中旬から、セルビアのバルカン地方では3カ月分の雨量がわずか3日で降る豪雨に襲われるなど、今世紀最悪となる洪水が起き、44人の死者と何万世帯もが停電や飲料水もない状態でいる。
「自分は自分なりのやり方で祖国へ貢献したい。今、我々の国と人々はとても危機的な状況にいる。でも我々は一つになって、そしてこの優勝とトロフィーを彼等に捧げたいと思います。」とジョコビッチは、熱い思いを表していた。
敗れたナダルは、クレーシーズンに入ってから、先週のマドリッド・マスターズでは優勝したものの、モンテカルロ・マスターズ、バルセロナ・オープンといずれも準々決勝で敗退しており、クレーシーズンで3度目の敗戦はこの10年間で初となる。
「彼(ジョコビッチ)が最初のボールを良い形で打って来ると、その多くの場合それを返球するのがやっとで、そこから形勢を逆転させるのは至難の技だった。自分はと言うと、最初のボールから強打するのに十分なエネルギーが残ってなかった。」とナダルは試合を振り返った。
両者は今回が41度目の対戦となりジョコビッチはナダルに19勝22敗とし、ナダルに4連勝とした。
「こうして大きなクレーでの大会の決勝戦で、ラファ(ナダル)に勝てた事は、かなりの自信に繋がる。確実に自信を高めてくれる。最大のチャレンジだし、そんな中での自分のテニスに満足している。これをローランギャロスへと繋げたい。」
と、来週から始まる全仏オープンへの意欲を語るジョコビッチは、その全仏オープンでは2012年に準優勝を飾ってはいるものの、未だにタイトル獲得には至っていない。全仏オープンはジョコビッチが唯一獲得していないグランドスラム大会でもある。
「試合のスタートから終わるまで、常に攻撃的なプレーをしようとしたんだ。彼に対して勝利を物にするには、攻撃的なプレーをする以外にないのは分かっていたから。」とこの日のプレーを振り返ったジョコビッチは今大会、2008年、2011年に次いで3度目の優勝を飾った。
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