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ブーイング起きるも、ナダル「棄権だけは避けたかった」<全豪オープン>

テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は26日、男子シングルス決勝戦が行われ、第1シードで世界ランク1位のR・ナダル(スペイン)が第8シードのS・ワウリンカ(スイス)に3-6, 2-6, 6-3, 3-6で敗れ、2009年以来5年ぶりの優勝とはならなかった。

準優勝に終わったナダルは、試合後「スタン(ワウリンカ)、君は優勝に値する。今日は僕に幸運の女神は振り向かなかったけれども、それでもトロフィーは君のものだ。」と、ワウリンカを称えた。

「棄権だけは避けたかった。特に決勝戦ではね。1年間、決勝を目指して練習を重ねてきて、決勝に辿り着いた瞬間、ベストなプレーが出来ないのは辛いもの。」

ナダルは全豪オープンで怪我に見舞われる事が多く、グランドスラムの中では最も相性が悪い大会と語る。2009年に優勝した後、2010年と11年は怪我もありベスト8止まり、2012年の決勝ではジョコビッチと死闘を繰り広げたものの敗退。昨年は左膝の怪我により欠場を余儀なくされていた。

「2週間、ずっと感動していた。このような形で負けてしまったのは残念。全力は尽くしたつもり。今年の大会は僕のテニス人生の中でも最も気持ちの入った大会の1つだった。」

ナダルは第2セットの第3ゲームで上半身を曲げてストレッチをし、腰を手でつまんで痛みに喘ぐ表情をみせた。その後サービスの勢いは衰え、時速141キロまで落ちた。

ナダルはメディカル・タイムアウトをとり、会場を一時去った。7分後に戻ってきた際には棄権するかと思われたため、ブーイングの嵐となった。

一方、ワウリンカは、タイムアウトの際に明らかに苛立ちをみせており、なぜナダルが会場を去る必要があるのか大会関係者に説明を求めていた。ナダルの続行が決まった後、ワウリンカはその苛立ちをテニスに向け、第1セットに続いて第2セットを連取した。

ナダルは負傷のためにサービススピードが次第に下がり、125キロ、さらには114キロにまで下がり、ブーイングをしていた観客も次第にナダルの味方につくようになった。

第3セットに入ると、ナダルがサービスのスピードを取り戻したため、観客からは「スタン、容赦するな!」の声が飛んだ。

第3セット終盤の時点でナダルのサービススピードは174キロまで戻っており、それに伴ってワウリンカのミスの数も増えていた。

しかし冷静さを失わなかったワウリンカは、第4セットに入ると立て直し、このセットをとって2時間21分の試合に終止符を打った。

ナダルは優勝候補筆頭とされており、優勝していた場合オープン化以降初となる各四大大会で2勝以上を飾った選手となっていた。しかし負傷もあり、新記録樹立は来年以降に持ち越しとなった。


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(2014年1月28日14時15分)

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