女子テニスツアー最終戦であるWTAチャンピオンシップ(トルコ/イスタンブール、ハード)に3年ぶりに出場を果たした元世界ランク1位の
J・ヤンコビッチ(セルビア)。今季の活躍には実の兄をコーチに招いた事実や、
S・ウィリアムズ(アメリカ)の活躍に刺激を受けている事が要因だったと明かした。
2008年に史上18人目となる世界ランク1位にのぼりつめたヤンコビッチだったが、2011年にはトップ10から脱落。昨年はトップ20圏外にも陥ってしまうスランプを味わっていたが、今季は実の兄であるマルコをコーチに招き、再びトップ10入りを果たすとともに、8選手にしか出場権が与えられない最終戦への切符も手に入れた。
「彼(マルコ)は最初、またトップ10に返り咲く事、そしてまた頂点にたどりつく事が目標だと言っていた。とても激しい練習をして、また新たなモチベーションが沸いてきた。こうしてこの大会に出場出来たという結果に、とても満足している。」
これまで練習嫌いで有名だったヤンコビッチは、以前は年間20大会以上、時には28大会にも出場していた。彼女は練習をするなら大会に出場したいと考えていたからだった。しかし、それは今季大きく変わり、これまで19大会にしか出場していない。
「これまでは大きな間違いを犯していた。上手くいかなかったやり方を見直して、何が自分にとって良いかを学んだ。今は28歳と経験も積んでいるけど、それをアドバンテージにしている。自分のテニス人生で、より活かせるようになったと思う。だから今は、激しい練習への準備、世界中に最高のテニスを披露する準備だって出来ている。」
「試合が好き。勝利の喜びも大好き。世界のトップ選手達との戦いも好きだし、それが今自分が楽しんで出来ている事。コートで過ごす時間を楽しんでいるし、練習コートでの時間も楽しめるようになった。」
「以前はそれがなかった。練習コートやジムで費やす時間が無ければ、高いレベルのテニスを披露する事は出来ない。だから、今は激しい練習もするし、それが結果につながっている。」
2008年に世界ランク1位へたどりついた時にヤンコビッチは、その鍛えられた体と安定したプレーでその地位を築いた。もちろん、そこには
J・エナン(ベルギー)の突然の引退や、
M・シャラポワ(ロシア)やセリーナの怪我によるツアー離脱も起因していたかもしれないが、その安定性は抜群だった。しかし、その後は徐々に後退の一途をたどってしまった。
「もちろん、トップ10に入るのはどれほど大変な事か知っている。ナンバー1になる事もね。本当に激しい練習やトレーニングが必要。でもそれ以上に、その座を維持する事はもっと厳しい事であると信じている。毎年、テニスというスポーツがより強く、より早く、よりパワフルになっているからそれについていかなければならない。」
「テニス選手を続けて、世界のトップを維持して、トップ選手の一員でいるためには、自分のテニスも更に良い物にして成長させて、改善させる必要がある。」と、現実の厳しさを実感していた。
今のヤンコビッチは、そのハードなトレーニングのお陰で肉体的にはかなり万全は状態にいる。それでも、ベストのテニスを披露するのはまだこれからだと言う。来年はトップ5入りして、今季セリーナが他の選手達に見せたような刺激を与えられる選手になりたいと願っている。
「かつて、全てに痛みを感じてしまうような時期があって、年をとってしまっていると感じていた時もあった。もうあそこには立てないってね。疑問だって持っていた。でも、今はこの年齢になっても、こうして多くを達成出来た。自分自身を信じる事も出来ている。これ以上のものを出せるとも思っている。」
「ここまでの高いレベルでプレー出来ないという理由は何もない。だから、年齢を重ねているとは感じてはいない。セリーナが32歳で最高のテニスをしていて、最高のシーズンを送っているのを見ると、彼女のパフォーマンスが私達に刺激を与えていると感じている。」
WTAチャンピオンシップで第7シードのヤンコビッチは、予選ラウンドロビンをこれまで1勝1敗としている。4選手で争われている予選ラウンドロビンで上位2選手が決勝トーナメントへ進出が出来る。その決勝トーナメント進出をかけてヤンコビッチは、第6シードの
S・エラーニ(イタリア)と予選最終戦を戦う。
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