男子テニスで世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)が、今週発表の世界ランキングで史上9人目となる1位在位100週目の快挙を達成した。
「夢は大きく持てと教えられて、世界1位になりたいと夢を描いていた。その夢に辿りつくには、何年ものハードな練習と多大な努力が必要だった。」
「チャンピオンになるには長い道のりがあった。テニスというスポーツは独特のスポーツで、その称賛や非難全てを自分だけが受けるスポーツなんだ。」とジョコビッチは、ここまで辿りつくまでの努力の大きさを語った。
現在ジョコビッチは3年連続となる世界ランク1位でシーズンを終えるために、厳しい状況に立たされている。
今季獲得ポイントの上位8選手しか出場出来ないツアー最終戦のバークレイズATPワールド・ツアー・ファイナルズへ向けてのポイント・レースでは、
R・ナダル(スペイン)が11,015ポイントで1位で、2位のジョコビッチは8,110ポイントと2,905ポイントの差をつけられている。
このポイント・レースはツアー最終戦への出場をかける事と同時に、シーズン最後のランキングを占なう上でも大きな指標となっている。
ジョコビッチは2010年にグルテン・フリー・ダイエットを始め、約5キロのダイエットに成功すると、その後目覚ましい活躍を見せた。
そして、2011年のウィンブルドンでの初優勝直後、2011年7月4日発表の世界ランキングでは夢だった世界ランク1位の座に初めてのぼりつめた。
その年のジョコビッチは、シーズン開幕から41連勝を飾り、これまで最多の
J・マッケンロー(アメリカ)の42連勝を塗り替えるかという勢いだった。そして、1年に4度行われるグランドスラムで3度の優勝を飾るなど、他を圧倒する強さを見せていた。
2012年7月9日には再びフェデラーに王者の座を17週間だけ奪われ、その事で
R・フェデラー(スイス)はそれまで最長記録保持者だった
P・サンプラス(アメリカ)の286週を抜いて新記録を達成する事となった。
しかし、どのサーフェスでも好成績をあげたジョコビッチは2012年11月5日に再びその座をフェデラーから奪い取り、現在までの47週間の在位で100週間という節目に到達した。
今年の全米オープン決勝戦でジョコビッチは、今季膝の怪我から復帰してから絶好調を続けるナダルに敗れ、世界1位の座をナダルに奪われる危機にいる。ナダルは2011年7月3日以来となる頂点に返り咲く日も近いとされている。
「まだ多くの大会が残っている。現時点でポイントの計算は頭にはない。今持っている自信をさらに高めようと努めているだけさ。」とジョコビッチは、目の前にある戦いに集中する事だけを考えている事を明かした。
来週行われるチャイナ・オープンに前年度チャンピオンとして臨むジョコビッチは、その優勝ポイントを守る必要があるものの、同大会に同じくエントリーしているナダルは、昨年のこの時期は膝の怪我でツアー離脱していたため失うポイントはない。
ジョコビッチはその座を守るために、タイトル獲得は必須。しかしながら、ナダルが決勝進出を果たした時点で、同大会直後に発表される世界ランクでナダルが再び世界の頂点に立つ計算になる。
歴史に残る記録を打ち立てたばかりのジョコビッチだが、ナダルの激しい追撃で崖っぷちに立たされている。
これまでの世界ランク1位在位最長記録はフェデラーの302週、2位はサンプラスの286週、3位は
I・レンドル(アメリカ)の270週、4位は
J・コナーズ(アメリカ)の268週、5位はマッケンローの170週、6位は
B・ボルグ(スウェーデン)の109週、7位はナダルの102週、8位は
A・アガシ(アメリカ)の101週。
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