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テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会9日目の22日に女子シングルス準々決勝2試合を行い、第6シードのN・リー(中国)が第4シードのA・ラドワンスカ(ポーランド)との激しいストローク戦を7-5, 6-3で制し、今大会2年ぶりとなる自身3度目の準決勝進出を果たした。
【リー vs. ラドワンスカ】
今大会、リーは2010年に初めてベスト4進出を果たすと、翌2011年には決勝進出。惜しくもK・クレイステルス(ベルギー)に敗れはしたものの、その後の全仏オープンでアジア人女子選手として初めて頂点に立つなど、今大会はリーのテニス人生で大きなステップとなる大会だった。
勝利したリーは「彼女はとてもタフな選手。今日は壁と戦っているようだった。どこからでも打ち返して来るし、ミスもほとんどしない。1ショット1ショットで集中しなければならなかった、1ポイントではなく1ショットずつね。ちょっとでも緩いボールだったり短くなると、彼女はアタックして来たわ。」と、ラドワンスカとの試合の厳しさを語っていた。
真上から太陽の光が降り注ぐ中での試合だったこの試合。リーは「太陽が頭上にあってサーブがとても打ちずらかった。サーブを打った直後のショットが一番難しかった。だって太陽の光が目に入ってしまって、次のショットは真っ暗だったの。」と、この日のコンディションの難しさも加えていた。
今大会前のシドニー大会で対戦した両者。その時はラドワンスカに軍配が上がっていたリーは「今回はとても体調が良いの。前回とは違って。前回は中国のシンセンで試合をした直後にシドニー入りして、その旅の疲れも溜まっていた。特にグランドスラムは、試合をすると翌日はオフが取れる。今回は数段体調が良いし、1日オフがあるから、次の試合へ向けても最高の準備が出来るわ。」とリーは、シドニーで対戦した時との自身の違いをコメントしていた。
昨年の8月からコーチとして迎えたのがC・ロドリゲス氏。ロドリゲス氏はJ・エナン(ベルギー)を子供の頃から指導し、世界1位にまで導いた事で知られる。リーはこのところの好調さもロドリゲス氏の指導の証だとしている。「彼は冬場のトレーニングは本当に厳しものだった。本当に信じられないくらいよ。」と、その厳しさも加えていた。
一方、今季はオークランドとシドニーで優勝を果たし、この試合まで負け無しの13連勝中だったラドワンスカは「今日の試合の何ゲームかは、彼女は全く自分のテニスをさせてくれなかった。良いサーブを打ち、深いボールを打ち返して来ていた。今日の彼女は本当に良いプレーをしていたわ。」と、リーの好調さを認めていた。
「彼女はとても安定したプレーをする選手。他の選手達と違って、アップダウンがあまりなく、同じレベルで試合を続けられるの。もちろんチャンスだってあった。でもそれを生かす事が出来なければ、勝利はどこかへ行ってしまうもの。彼女はスタートから安定したプレーをしていたの。」
今季開幕から連戦が続いた事について「もちろん、ここまで本当にたくさんの試合をして来たと感じている。それでもこの大会は1日おきに試合があるから、休む時間も取れる。それでも今日の自分は明らかに動きが遅かった。出だしのゲームから、かなり走らされたし、本当に走り回っていたの。スタートからかなりの体力を使ってしまった。」と、若干の疲労を感じていた事も認めていた。
準決勝ではリーはM・シャラポワ(ロシア)とE・マカロバ(ロシア)の勝者と対戦するが、そのどちらと対戦するかとの予想を聞かれたラドワンスカは「今はマリア(シャラポワ)が爆発しているから彼女がリーと対戦するのでは。正直、準決勝の勝敗は五分五分だと思う。マリアもリーもこの大会では本当に良いプレーをしているから。どちらが勝つかはとても難しい答えね。」と、準決勝を予測していた。
《リーがブレーク合戦制しベスト4へ》
【シャラポワ vs. マカロバ】
またこの日行われたもう1つの準々決勝では、第2シードのM・シャラポワが第19シードのE・マカロバとの同胞対決を6-2, 6-2で制して準優勝した昨年に続くベスト4入りを果たした。
シャラポワは「今日の試合は今後に向けても良いテストにもなったと思う。彼女は1週目にとても良い選手達を下して来ていたし、彼女自身も本当に良いテニスをする実力のある選手で、とても深いショットを打って来る。加えて彼女は左利きなのでとてもやりずらい。でもそんな彼女に対しても上手く対応出来たし、試合を通してずっと集中を切らす事がなかった。それは本当に大切な事。」とこの日の自身のプレーに満足していた。
負けたマカロバは昨年の今大会で自身初となるグランドスラムでの8強入りを果たし、その時もシャラポワに敗れていた。「彼女のテニスを信じられないものだった。コートのどこからでも攻撃的にボールを打って来るの。今の彼女を下すのは本当に難しいと思う。」と、シャラポワのテニスの印象を語っていた。
加えて「試合の終盤は、ゲームを取る事に必死だった。なぜならこの日の彼女を下す事はほぼ不可能だって感じていたから。ただ、もっとゲームを取ろうと考えていたわ。」と、シャラポワのプレーに脱帽していた。
リーとの準決勝について聞かれたシャラポワは「最後に対戦したのが去年の北京大会。これまで5回の対戦で全て勝利しているけど、いずれの試合もタフなものばかりだった。次もきっとそうなると思う。彼女は今季、最高のスタートを切っているし、好調を続けている。彼女は去年の終盤では最も成長した選手の一人だと思うし、とても質の高い準決勝になると思うわ。」と、厳しい試合を予測していた。
シャラポワ自身もV・ウィリアムズ(アメリカ)やこの日のマカロバのような好選手を下して来ているが「次の試合は試す事が目標じゃない。困難な状況に置かれたり、ベストのテニスが出来なかったり、劣勢に立たされたり、どうやったら勝てるか困惑されたりしたら、それはそうなるべくして訪れる日なの。そんな状況に陥りたいと思う?全くそうじゃないわ。」とリーとの対戦に闘志を燃やしていた。
《同胞対決を制しシャラポワ4強入り》
(翻訳・記事/弓削忠則)
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