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テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会15日目に第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)と第3シードのA・マレー(英国)の男子決勝戦が行われる。
昨年の覇者であり3年連続決勝へ駒を進めているジョコビッチ。決勝戦へ向けて「僕とアンディのプレースタイルは似ている。この5年でアンディがグランドスラムで優勝を狙う実力があるのは事実。これまでグランドスラムの決勝で4回負けているから、アンディは本気でタイトルを狙ってくるだろうね。でも、僕も勝ちたいから同じ気持ちを持っているよ。」と、コメントしている。
世界ランク2位のジョコビッチは、今年全豪オープンで2連覇を達成し、全仏オープンではR・ナダル(スペイン)に敗れるも準優勝を飾っていた。しかし、ウィンブルドン準決勝でR・フェデラー(スイス)に敗れ大会連覇を逃すと同時に、世界ランキング1位の座もフェデラーに献上してしまった。
続くロンドンオリンピックでジョコビッチは、今大会決勝戦で対戦するマレーに準決勝で敗れてしまう。その後、3位決定戦に臨むもJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)にストレートで敗れメダル獲得とはならなかった。
しかし、ロジャーズ・カップ男子で今年2度目となるマスターズ大会で優勝し、再び自らのテニスに軌道が乗り始めた。「オリンピックでの敗退には本当に失望した。だから気を取り戻して頑張れるよう努力し、その結果がこの優勝です。」と、試合後ジョコビッチはコメントしていた。
そして、今大会でジョコビッチは準決勝まで1セットも落とさない勝ち上がりを見せる。準々決勝ではロンドンオリンピック3位決定戦で敗れた第7シードのデル=ポトロと対戦。圧巻だったのは第2セットのタイブレーク、セットポイントを掴んだジョコビッチはバックハンドのストレートを決め、その瞬間雄叫びをあげた。デル=ポトロに絶対負けたくないという執念を感じたショットであった。
そして第4シードのD・フェレール(スペイン)に勝利し、決勝戦への切符を掴んだジョコビッチ、昨年のような無敵の力を発揮出来るかが見物である。
対する世界ランク4位のマレーは、今年のロンドンオリンピックで金メダルを獲得、さらに今大会で快進撃を続けたL・ロブソン(英国)とのミックスダブルスでも銀メダルを獲得していた。しかし、グランドスラムのタイトルは未だ獲得しておらず、今回が5度目の挑戦となる。
グランドスラム無冠のマレーは、今大会の2008年にグランドスラム初の決勝進出を果たすもフェデラーにストレートで敗れ準優勝に終わっていた。
その後、2010年・2011年の全豪オープン、さらに今年のウィンブルドンで準優勝に終わり、タイトル獲得まであと1勝という状況が4度あった。2011年の全豪オープンは、決勝で今大会決勝で当たるジョコビッチと対戦するも、ストレートで敗れていた。
また、記憶に新しいのが今年のウィンブルドン決勝、その時はフェデラーから第1セットを奪うも、その後セットを連取され敗れた。試合後のインタビューで「あともう少しだった。」と、表彰式で涙ながらにコメントしたことが印象的。
そして、今回のグランドスラム決勝は5度目の正直となるマレー。決勝戦に向けて「決勝は信じられないくらいタフな試合になると思うよ。彼(ジョコビッチ)はハードコートが得意な選手だからね。でも、僕はグランドスラムで優勝したいんだ。」
加えて「今年のウィンブルドン決勝で負けてから、余計に勝ちたいという想いが強くなった。今度こそ優勝する。」と、強く意気込みを語った。
偶然にもマレーのコーチを務めているI・レンドル(アメリカ)も現役時代にグランドスラム5度目の挑戦で初の栄冠を手にしていた。マレーもレンドルの後を追う事が出来るのかに期待がかかる。
男子シングルス決勝は、日本時間の9月11日(火)午前5時に試合開始予定である。
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