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女子テニスツアーのロジャーズ・カップ女子(カナダ/モントリオール、賞金総額216万8400ドル、ハード)は月曜日に決勝を行い、第5シードのP・クヴィトバ(チェコ共和国)が第10シードのN・リー(中国)を7-5, 2-6, 6-3の接戦の末下し、今季初優勝と同時に北米大会での初優勝を飾り、優勝賞金38万5000ドルを手にした。
今大会直前、4年に1度のスポーツの祭典であるオリンピックがイギリスのロンドンで開催されていたため、通常月曜日から日曜日まで行われる大会を、火曜日にスタートして月曜日までとし、1日ずらして行われた今大会。月曜日の夜の決勝戦ながら、会場は満員の観客で埋め尽くされていた。
試合はクヴィトバのサーブで始まった。しかし、ダブルフォルトに苦しむクヴィトバはリーに第3ゲームでいきなりブレークを奪われリードを許すも、第6ゲームでブレークバックする。そして第8ゲームでもブレークに成功したクヴィトバはゲームカウント5-3とリード。
しかしクヴィトバは続くサービング・フォー・ザ・セットでイージーミスを犯し、再びブレークをリーに許してしまい、ラケットを叩きつけるなどイライラを募らせた。ゲームカウント5-5、第11ゲームでクヴィトバは0-40のピンチを切り抜けると、続くリーのサービスゲームで5度目のセットポイントをものにし、1時間2分で第1セットを先取する。
接戦の末に第1セットを落としたリーだったが、第2セットの第1ゲームのクヴィトバのサービスゲームをラブゲームでブレークするなど、何と16ポイント連取する猛攻を見せ、一気にゲームカウント4-0とリードする。
第5ゲームを何とかキープしたクヴィトバだったが、奪われた流れを引き戻す事は出来ず、リーが6-2とわずか32分で第2セットを取り返し、勝負の行方は第3セットへと持ち越された。
勝敗を決める第3セットは両者サービスキープで始まったが、試合の主導権を握ったのはクヴィトバだった。クヴィトバはゲームカウント3-2リードからの第6ゲームでリーのサービスゲームをブレークし、続く自身のサービスゲームをしっかりキープ、ゲームカウント5-2とリードを広げた。
続くゲームはリーにサービスキープされるも、ゲームカウント5-3からのサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップでクヴィトバは、40-15とマッチポイントを握る。最後は強烈なサーブを叩き込み、リーのリターンが弾かれてゲームセット。2時間16分の接戦を制したクヴィトバは、今季初で自身8度目の優勝を飾った。
「第1セットはとても厳しい展開で、どのゲームも接戦だった。ちょっとした幸運もあってそのセットを取る事が出来た。第2セットは彼女(リー)が本当に良いプレーをして、攻撃的だったしミスもほとんどしなかった。」と試合を振り返るクヴィトバ。
「第2セットと第3セットの間でロッカーへ戻ってウェアを着替えている時に、自分の方から先に攻撃しなければならないって言い聞かせたの。そして第2セットより早い展開でプレーしなければって。また、ファーストサーブの確率も上げる必要があるって感じていたの。」と勝敗を決める第3セットへ臨む時の心構えと、勝利への強い気持ちを語っていた。
敗れたリーは、昨年の全仏オープンでアジア人女性として初めてグランドスラム優勝を飾るなど、直後に自己最高位の4位を記録。今季は5位からシーズンをスタートさせたが、その全仏オープンでは4回戦、その後のウィンブルドンでも2回戦、ロンドンオリンピックでは初戦敗退と下降線をたどっており、ランキングも11位とトップ10から転落していた。
「今日は彼女(クヴィトバ)が良いプレーをしたとしか言えないわ。それでもオリンピックが終わって初めてのハードコートの大会でここまで勝ち残れた事は前向きに受け止めたい。来週からは新しいコーチが就いてくれる事になっているから、アメリカでのハードコート・シーズンの良いスタートが切れたと思う。」とリーは、敗戦ながら明るくコメントしていた。
今回の準優勝で再びトップ10へ返り咲きを果たし、昨年は初戦敗退を喫していた全米オープンで、今年は巻き返しを図りたい。
両者は今週アメリカのオハイオ州シンシナティで開催されるW&Sオープンへも出場し、全米オープンへの調整を続ける。
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