HOME → ニュースTOP → 今日のニュース(一覧) → 今日のニュース(詳細) |
|
まさに地獄から天国へ、と言ったら少し大げさだろうか。
世界ランク69位の伊藤竜馬(日本)は、オリンピック出場を巡って、6月に一喜一憂させられた。
オリンピックイヤーであることを踏まえ、伊藤も、今年1月から出場を目指して、チャレンジャー大会を中心に戦い、優勝2回、準優勝1回、ベスト4に3回という成績を残して、ATPランキング60位台につけた。1カ国最大4人まで出場可能というルールの兼ね合いから、伊藤は、ロンドンオリンピック出場のボーダーライン付近に位置していた。
そんな伊藤を、一部の新聞や通信社は、出場当確と報じた。だが、6月15日にITF(国際テニス連盟)から届いた通知には、伊藤の名前がなかった。
6月26日のワイルドカードを含めた最終発表まで、伊藤は悶々とした日々を過ごすことになったが、ついにオリンピック初出場を決めたのだった。
「本当にラッキー。出れることが驚きですし、1月の時点では無理だと思っていたことが、出場できることになった。目標が叶ったが、出るからには、メダルを取る目標を持って、一つでも多く勝てるよう頑張っていきたい。4年に一度しかないチャンスを手にしたということで、一試合一試合、悔いなく全力で戦って、応援してくれている人のために、勇気と希望を与えられるようなプレーをしたい」
伊藤は、ロンドンオリンピックで日本男子選手3人目の出場者となったが、1988年にソウルオリンピックで、テニスが正式競技に復帰してから、日本男子選手3人が出場するのは初めての快挙だ。
「今の男子は、切磋琢磨し合ってやって来た。もっと上を目指して頑張りたい」
オリンピックで、北島康介(日本・水泳)やU・ボルト(ジャマイカ・陸上)を見てみたいと語る伊藤だが、シングルス1回戦で、世界ランク25位のM・ラオニチ(カナダ)との対戦が決まった。サーブの力比べとなりそうだが、日本屈指のビッグサーバーである伊藤にもチャンスはあるはずだ。
そして、かつて新しい時代を切り開いた坂本龍馬のように、伊藤もロンドンオリンピックで、日本テニスの新たな歴史を刻んでほしい。
(文・写真/神 仁司)
その他のニュース
|
© 2011 Fubic Corporation. All Rights Reserved.