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テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は大会4日目の28日、男子シングルス2回戦が行われ、世界ランク100位のL・ロソル(チェコ共和国)が第2シードのR・ナダル(スペイン)に6-7 (9-11), 6-4, 6-4, 2-6, 6-4のフルセットで勝利、3回戦に進出する大波乱が起きた。
お互いに1度ずつのブレークで突入した第1セットのタイブレークを制したナダルであったが、続く第2、第3セットをロソルに連取されてしまう。逆転を許したナダルは、第4セットで2度のブレークに成功すると、試合を振り出しに戻した。
この場面で日没を理由に試合は中断、センターコートの屋根が閉まるまで選手達は待機することとなる。可動式の屋根が閉じられた後、試合は再開されたものの、中断により勢いを削がれたナダルはファイナルセット第1ゲームでロソルにブレークを許してしまう。
ここからはロソルは、強烈なサーブでナダルにチャンスを与えずにサービスキープを続けた。そして試合開始から3時間18分後、この日22本目のサービスエースで試合を決めると、両手で顔を覆い、コートに座り込んで喜びを表現した。
24歳のロソルは、今大会の本戦に出場するのは今年が初めて。これまでの5年間は、全て予選1回戦で敗退していた。
「驚いたどころではありません。僕にとっては奇跡のようなものです。こんなことは想像すらしたことはありませんでした。」とロソル。「本当に満足しています。まだ言葉が見つかりません。まだ信じられないのです。」
今大会で2度の優勝を誇るナダルが、2週目を前に大会をさることになるのは2005年以来となる。その時のナダルは、2回戦でG・ミュラー(ルクセンブルグ)に敗れていた。また、この敗戦により、今大会でナダルが世界ランク1位に復帰する可能性はなくなった。
まさかの敗戦を喫したナダルは「僕にとってベストではなかったのは確かなことです。第5セットの彼が素晴らしいプレーをしていたことは受け入れています。第4セットでは良いプレーが出来ました。」と、言葉少な目にコメントを残した。
グランドスラムで第2シードの選手が2回戦で敗退するのは、2005年の全仏オープンでA・ロディック(アメリカ)が敗れて以来となる。またウィンブルドンでは、2002年のM・サフィン(ロシア)以来10年ぶりのこととなった。
この他の試合では、地元期待の第4シードであるA・マレー(英国)がI・カルロビッチ(クロアチア)に7-5, 6-7 (5-7), 6-2, 7-6 (7-4)で勝利しているほか、第19シードの錦織圭(日本)がF・セラ(フランス)に6-3, 7-5, 6-2でストレート勝ち、日本男子としては松岡修造(日本)以来、17年ぶりに3回戦進出を果たしている。
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