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テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会12日目の27日、ナイトセッションで男子シングルス準決勝が行われ、ディフェンディング・チャンピオンで第1シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのA・マレー(英国)に6-3, 3-6, 6-7 (4-7), 6-1, 7-5のフルセットで勝利、大会連覇に王手をかけた。
これでグランドスラム3大会連続での決勝進出となったジョコビッチは、日曜日に行われる決勝で第2シードのR・ナダル(スペイン)とタイトルを争うこととなった。
第5セット第9ゲーム、5-3とリードしてサービング・フォー・ザ・マッチのチャンスを迎えていたジョコビッチであるが、この場面でマレーにブレークバックを許していた。しかし、第12ゲームで訪れた最初のマッチポイントでマレーがフォアハンドをミス、4時間50分で死闘に終止符が打たれた。
勝利の瞬間、ジョコビッチは背中からコートに倒れた。そして起き上がり、マレーと握手を交わすとコートにひざまずき、胸の前で十字を切った。
試合後のオンコートインタビューでジョコビッチは「2-5から巻き返してきたアンディは感嘆に値します。彼も僕もファイトしました。この試合について語れる言葉は多くありません。」と試合を振り返った。
「肉体的に辛い試合でした。自分でも最高の試合でした。感情的にも、精神的にもハードでした。」
ファイナルセット第11ゲームではブレークチャンスがあったマレーは「タフな結末でした。追いついて、さらにブレークまであと少しでした。だけど今回は去年とは違う選手に、違う内容でした。自分のプレーに誇りを持っています。」と、完全燃焼していた。
ジョコビッチは昨年、グランドスラムで3勝を世界ランク1位の座を手に入れていた。その中には、全豪オープン決勝でのマレーからの勝利も含まれている。ジョコビッチが昨年のメジャー大会で敗戦を喫したのは、全仏オープン準決勝で対戦したR・フェデラー(スイス)だけだった。
昨年の活躍についてジョコビッチは「選手として成熟したのだと思います。コート上で、メジャーにも勝てると信じられるようになりました。ラファとロジャーはこの7、8年で最もゲームを支配していました。彼らからタイトルを奪うのは並大抵のことではありませんでした。彼らは譲ってはくれないので、勝ち取るしかありません。」とコメントしている。
これでジョコビッチは、1968年のオープン化以降で史上5人目となるグランドスラム3連勝に王手をかけた。これまでには、R・レーバー(オーストラリア)、P・サンプラス(アメリカ)、そしてナダルとフェデラーだけがこの偉業を成し遂げている。また、この試合の観戦に訪れていたレーバーだけが同一シーズンでのグランドスラム4連勝を達成している。
この日の試合で最初にセットを奪ったジョコビッチは、第2セットでもブレークアップとリードを握る。しかし、ここからジョコビッチは動きに精彩を欠き始め、呼吸が苦しそうな素振りを見せる。この様子は、準々決勝でD・フェレール(スペイン)との対戦中にも見せていた。
あるポイントでジョコビッチは、自分の鼻を指さし、自分の陣営に呼吸が問題であることを訴えていた。
第3セットのオープニングゲーム、14分もかかったこのゲームで5本のブレークピンチを切り抜けキープに成功したジョコビッチは、主審にティッシュをリクエストしていた。
ここからマレーは長いラリーに持ち込むようにプレーをするが、ジョコビッチも応戦する。結果としてこの選択はマレーにとって諸刃の戦術となり、試合終了時にマレーが犯した凡ミスは86本を数えた。
接戦となった第4セットを奪ったマレーであったが、第4セットはジョコビッチが一方的な展開で奪い返しファイナルセットへ。2-5とリードされたマレーは、第9ゲームをラブゲームでブレークすると5-5まで追いつき、ジョコビッチにプレッシャーをかける。
しかしジョコビッチは、第11ゲームで3度のブレークピンチを切り抜けキープに成功すると、続く第12ゲームをブレークした。
「決勝に進出できてとてもうれしいです。」とジョコビッチ。「最も素晴らしい選手の一人であるナダルとの対戦より、大きな挑戦はありません。」
「回復に努めます。決勝も体力的に大変な試合になるでしょうから、今夜は腕立て伏せをする必要があります。」とジョークで会場を和ませたジョコビッチ。試合が終了した時には、現地時間で夜中の0時を回っていた。
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