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先月、自身のブログで、今夏には父親になることを明かした男子世界2位のR・フェデラー(スイス)。だが、父親になった選手はグランドスラム大会で優勝できない、というジンクスがある。
現在、グランドスラム大会で13度優勝しているフェデラー。全豪オープンでは3勝(04、06~07)、ウィンブルドンでは5勝(03~07)、USオープンでも5勝(04~08)しており、元王者P・サンプラス(アメリカ)の14勝まであと1勝と迫っている。
フェデラーは「子どもが生まれてもテニスに対する心構えはほとんど変わらないだろう。」と楽観的である。だが5カ月の乳児を抱える”同僚”のⅠ・リュビチッチは以下のように警鐘を鳴らす。
「彼(フェデラー)はショックを受けると思うね。間違いないよ。子どもを持つと人生は完全に変わってしまう。優先事項が変わってくるのさ。子どもができたら、自分はもはや家族で最重要人物ではなくなってしまう。妻は子どもにかかりっきりさ。」
グランドスラム大会のシングルスで母親として最後に優勝したのはE・グーラゴン=コーリー(オーストラリア)で1980年のことだった。それから約30年が経過するが、その間に父親としてグランドスラム大会で優勝したのは8人しかいない。過去115回のグランドスラム大会で考えると、父親の優勝はわずか10度にとどまる。
その8人うちP・キャッシュ(オーストラリア)、A・ゴメス(エクアドル)、P・コルダ(チェコ共和国)、A・コスタ(スペイン)は1度しかグランドスラムで優勝していないが、何度も優勝しているB・ベッカー(ドイツ)、Y・カフェルニコフ(ロシア)、A・アガシ(アメリカ)は、父親になった後はわずか1回しかグランドスラムを取れていない。
唯一J・コナーズ(アメリカ)だけが、生涯グランドスラム8勝のうち父親になってから3勝をあげている。偉大な王者であるJ・マッケンロー(アメリカ)、I・レンドル(アメリカ)、そしてS・エドバーグ(スウェーデン)らは、子どもが生まれてからはグランドスラムで優勝できていない。
ベッカーは「父親になると、人生は急激に変わるよ。1つのことだけに集中できなくなるのさ。子どもと妻に大変な気遣いをしなくてはならない。テニスは二の次になってしまう。それが現実だよ。」と話した。ベッカーは最初の子どもノア君の誕生後、1996年の全豪で最後のグランドスラム優勝を飾っていた。
一方、フェデラー自身は「世界1位になった後は子どもが欲しかったんだ。早ければ早いほどいい。子どもに僕のプレーを見せたいからね。」と話している。
既出のリュビチッチは「彼(フェデラー)はプレッシャーの対処がうまい。だから子どもに関してもうまくやれるだろうね。テニスも本当に楽しんでやっていて余裕があるから、子どもに対する時間も作れるだろうね。」
順調に行けば夏に父親となるフェデラー。そのころに行われる大会には、フェデラーが5連覇している全米オープンがある。そこで優勝できるのか、そして父親はグランドスラムが取れないというジンクスを見事打ち破ってくれるのか、今から注目したい。
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