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(イギリス、ウィンブルドン)
日曜日に行われたウィンブルドン男子決勝で、世界王者のR・フェデラー(スイス)が見事5連覇を達成した。これでフェデラーはB・ボルグ(スウェーデン)の記録に並んだが、その両者の長所と短所の分析が試みられた。結果は以下の通り。
【長所】
■フェデラー
ダイナミックにコートを広く使ったオールラウンドなプレー。ベースラインからのプレーとサーブ&ボレーをうまく織り交ぜることができる。このためフェデラーは試合のペースを自在に変えることができ、これが過去の多くのチャンピオン達と同様、彼のプレーを予測困難にしている理由である。
R・レーバー(オーストラリア)以降、優雅かつ自然、そして射止めるバックハンドを持つ選手は現れていないが、フェデラーのフォアハンドは破壊力があり、フラットでパワーがある。コート上の動きも俊敏で、精神的にもタフで冷静だ。
■ボルグ
すばやく優美な動きでコートを飾る。素晴らしい両手打ちのバックハンドと正確なフォアハンドを持つ。重いトップスピンのボールを繰り出すところは、どちらかというとクレー向きで、全仏では6度優勝している。
ボルグの素晴らしさは、2週間で全仏オープンからウィンブルドンへ、プレースタイルをクレーから芝に調整できるところにある。ボルグはそのコートでのプレーが常に冷静沈着なことから「アイスボルグ(氷のボルグ)」として知られる。
【短所】
■フェデラー
短所はほとんどないが、全仏では史上最強のクレースペシャリスト・ナダルに敗れ、優勝できていない。また第1サーブに改良の余地があるだろう。フェデラーのサービスは時速約125マイル(201キロ)だが、元王者のP・サンプラス(アメリカ)は平均で130マイル台代半ば(210キロ)を記録していた。
また時々コート中央からのアプローチでリズムを失ったり、セットの中盤で集中力が切れる傾向にある。
■ボルグ
人生最大の謎の1つかのようにボレーを扱う。ネットにはほとんど出ないためゲーム展開の予測が容易。それでもゲーム展開は依然として素晴らしい。フォアハンドはループスイングのため、速いコートではしばしば対応が遅れてしまう。
<判定>
もしボルグとフェデラーが現代のラケットを使って、同時代に闘っていたとすれば、素晴らしいライバル関係にあっただろう。ボルグの正確無比なグランドストロークとカウンターアタックに対し、フェデラーの持ち前の品格とコートを全面に使う眼識。テニス界最強のフットワークのよさを持つ両者が対戦していればどんなに面白かったことだろう。
勝つのはどちらか?判定は難しい。その日のコンディションやサーフェスによっても異なるだろう。ボルグの持つ最強の正確さはクレーで発揮され、フェデラーのオールラウンドなプレーはより速いコートで有効だろう。フェデラーにはナダルというライバルがおり、ボルグはJ・コナーズ(アメリカ)やJ・マッケンロー(アメリカ)がいた時代にウィンブルドン5連覇を飾っている。確実に言えるのは、ボルグもフェデラーもテニス界史上で偉大な選手であるということである。
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