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トッププレイヤーをなぎ倒し、決勝進出のバグダティス |
画像提供:Getty/AFLO |
(オーストラリア、メルボルン)
「負けはしたけど、決勝に出られたんだ。最高の気分さ。」
29日に行われた全豪オープン男子シングルス決勝で、世界No.1のR・フェデラー(スイス)を苦しめたM・バグダティス(キプロス)は、力一歩及ばずだったものの、誰もが想像も付かなかった、そして本人すら夢にも思わなかった2週間の大活躍を振り返り、顔を輝かせた。
「2日間くらいは夢心地でいるかもしれない。でも自分はまだ20歳、本番はこれからだ。地に足をつけてもっと努力していかないと、いつ僕みたいにガッツとファイトに溢れる若手が出てくるか、おちおちしてられないしね。」
決勝ではフェデラーと互角以上のプレーで、1セット先取。2セット目もフェデラーはてこずり、もしや2セットダウンに追い込まれるのではないかとすら思われた。
「正直言って第2セット半ばまでは苦しかった。自分のサービスゲームですら結構辛くて、とにかく汗だくで、このまま行ったら負けるかとも思った。彼のプレーもすごかったけど、それ以上に自分が受け手に回っていた。これまで一番緊張した試合だったと言ってもおかしくない。」と、フェデラーをして語らせたほど。
結局その後は王者の貫禄とも言えるコントロールで、試合の支配権を完全に握られてしまったが、バグダティスの闘志とスリリングな試合は、満員の大観衆を酔わせ、あたかも彼が勝者であったかのように、大きな拍手がいつまでも鳴り止まなかった。
バグダティスは、今大会前の世界ランキングは54位だったが、この準優勝により、一気に27位に浮上する。
(2006年1月29日)