男子テニスで世界ランク8位の
A・ルブレフは18日、ロシア人スポーツジャーナリストであるヴィティア・クラフチェンコ氏のYouTubeチャンネルに出演。練習などを公開した。そのなかで出場が禁止されたウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)について思いを明かしている。
ウィンブルドンはロシアによるウクライナ侵攻による国際状況を考え、ロシアとベラルーシ国籍の選手の同大会出場を拒否。その影響で今年のウィンブルドンはポイント加算がないまま開催された。
男子ではシングルス世界ランク1位の
D・メドベージェフやルブレフ、
K・ハチャノフら上位選手らが出場できずに芝シーズン最高峰の大会を欠場することとなった。
クラフチェンコ氏の投稿したYouTube動画内でルブレフは、練習場のテレビモニターでウィンブルドンを観戦。「ウィンブルドンは年間4大会ある最も大きな大会の1つ。4つのグランドスラムの1つだ。全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン。誰もが全力を注いで練習を積んで、この4つの大会に出るために他の大会に出場しベストを尽くしている」とコメントした。
クラフチェンコ氏はウィンブルドンのロシア選手出場拒否について、その決断を知ったときの心境を尋ねた。以下はインタビューでのやり取りとなる。
クラフチェンコ氏:「決断を知ったとき、あなたは?」
ルブレフ:「もちろん苛立ったよ。テニス人生で得たもの、つぎ込んだもの全て、そして仕事をすることを禁止されてしまった。もちろん、憤慨している。テニスに関して話せばね」
「僕らは外交的にとても有益だろうと思う解決策を提出した。ウクライナ人選手と組んでミックスダブルスに出場したりね。メダルを取るためではなく。ウィンブルドンを、僕らはここで戦ってはいない、テニスに戦争はないんだということを示す舞台として使いたかった。今はそれが最も大切なこと。テニス選手としてコートから正しいメッセージ送ることができたらと」
クラフチェンコ氏:「あなたはそれをとてもしているでしょ」
ルブレフ:「でも僕らは常に同じ答えをもらい続けている。ロシア政府は僕らの成績をプロパガンダとして使おうとしている。だから、自分が何を言おうと、答えは過去も現在も同じ。なぜ彼らはそう言うのか理解できなかった」
クラフチェンコ氏:「彼らに何て答えたの?」
ルブレフ:「ここで言えるものはない」
クラフチェンコ氏:「あなたはずっと公に自身の見解を示してきた。彼らは他にあなたに何を望んでいるのか?ロシア人としてパスポートを禁止するのか?彼らの考えを変えるために、あなたができるかも知れないことは何なのか分からないよね」
ルブレフ:「ウィンブルドンに関しては、そこでプレーするには恐らく自分の国籍を変えるしかないだろう。それなら受け入れてもらえるはず」
クラフチェンコ氏:「もし他の大きな大会全てで出場が禁止されたら、それが明確な解決策になり得る?」
ルブレフ:「僕らが全ての大会に禁止されて、それでもテニス人生を続けたいのならそれも1つの方法だ」
クラフチェンコ氏:「選択肢はないよね?。なぜなら、テニスがあなたの人生そのものだから」
ルブレフ:「まぁそうだね」
クラフチェンコ氏:「こんな状況になる前にオリンピックで金メダルを取れて、あなたはラッキーだった。またその舞台に立てることはないかもしれないと思っている?」
ルブレフ:「将来、またそこでプレーしたいとまだ願ってはいる。本当にプレーできたらと願っている。そこでプレーして金メダルを獲得できたことは、本当にうれしく思っている」
クラフチェンコ氏:「すごいことだって感じた?」
ルブレフ:「もちろん。達成したときは、世界の頂点に立った気分だったよ」
ルブレフは昨年8月の東京オリンピック(日本/東京、ハード)に
A・パブリュチェンコワとペアを組みミックスダブルスに出場。決勝でE・ヴェス二ナ(ロシア)/
A・カラツェフ組を下し金メダルを獲得している。
今週はハンブルグ・ヨーロピアンオープン(ドイツ/ハンブルグ、レッドクレー、ATP500)に第2シードとして出場しており、1回戦で世界ランク39位の
A・ブブリク(カザフスタン)と対戦する。
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