男子プロテニス協会のATP公式サイトは24日、ATPのスポーツ医療トレーナーを務めるペル・バソルト氏のインタビューを掲載した。トップ選手のケアに必要なことや、大観衆の見守るなかでストレッチを行うプレッシャーについて語っている。
>>【テニス】HEAD新作ラジカル 全貌を徹底解説! 関口 周一と尾崎 里紗も魅力を語る<<デンマーク出身のバソルト氏は1990年代前半にモンテカルロのテニスクラブで医療トレーナーとしてのキャリアを開始し、モンテカルロで行われるテニス大会やサッカーリーグアンのASモナコ、テニス選手では
T・ベルディヒ(チェコ)や
V・アザレンカ(ベラルーシ)らに帯同。
1994年からはテニスツアーの帯同をはじめ、テニス選手のケアを専門に試合前後の回復などを行ってきた。
バソルト氏は「選手の身体能力は向上している。でも、ゲームはより速くなっているんだ。ゲームも変わり、ラケットも変わった。すべてが変わったんだ。変わってないのはコートの大きさだけだよ。けど、大きさはそのまま材質が変わっているんだ。それでボールスピードもより速くなる。それにより僕らトレーナーの関わり方も進化してきた。一番変わったのは選手の準備だね」と話した。
観客の目に見える範囲でいえば、医療トレーナーはコート横で選手のケアを行う姿が定番だが、実際はロッカールームなどで多くの仕事を行うことになる。
「大きな大会だと朝の9時から始まって夜中の0時に終わることもある。それは良い日だね。ときには深夜2時に終わることもある。僕らの言う準備は、様々な方法で選手をサポートできるように整えること。足の指にテープを貼って水ぶくれを防ぐ人もいれば、過去に怪我をしたことがある足首にテープを貼って再発を防ぐ人もいる。腰を痛めている選手や、前回の試合から回復していない選手がいる場合は試合前にそれらの心配な部分を温めたり、ストレッチをしたりして、けがをせずに最高のパフォーマンスを発揮できるようにサポートするようにしている」
また、試合後の回復についてもトッププロならではの重要な点があることもバソルト氏は語った。
「リカバリーは芸術みたいなもので物凄く個人差がある。でも、タフな試合の後の最初の30分は、選手の効率的な回復には欠かせないよ。水分補給や様々な回復ツールは選手のために用意されているなかで、僕らは潜在的な小さなけがを見つけることやストレッチ、特定の筋肉の回復作業を支援しすることになる。多くのトーナメントでは、マッサージ、アイスバス、電動バイクなど、選手が各試合後に行う回復プロセスの一部を提供しているはずだ」
しかし、たくさんの準備や回復の器具を用意していても、主審から呼ばれることがあれば医療トレーナーはただちにコートに向かうこととなる。
「コートから呼び出しがあれば、起きていることを全て投げ出してでも行かなくてはいけない。僕らは無線機を持っているんだけど、それが鳴るんだ。そのときは控え室のなかにどんな選手が待っていようが、真っ先にコートに飛び出すよ。待っている選手は僕らが戻るまでそこで待機する。これはどの会場でも見る光景だ」
「アドレナリンが少しだけ出始める瞬間はいつもある。それは悪いことではないよ。僕はあまり神経質になることはないし、これまでもそうだったことはない。だいたい僕は落ち着けている。コート横のポジションに入るときは、選手が声を大きく出さないように、いつも膝をつくようにしている。選手の目をまっすぐに見て、常に冷静さを保つようにしているんだ。大きなコートに出ると、誰もが自分に注目している。音楽やカメラ、何が起こっているのか、アナウンサーが何を言っているのか、ということに意識を飛ばさないようにしている。選手と一緒にいて、選手のことだけを考えているんだ」
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