テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は13日、女子ダブルス決勝が行われ、第1シードの
M・ヒンギス(スイス)/
S・ミルザ(インド)組が第4シードの
C・デラクア(オーストラリア)/
Y・シュウェドワ(カザフスタン)組を6-3, 6-3のストレートで下し優勝した。ヒンギスはこれがグランドスラム女子ダブルスで11回目のタイトル獲得となった。
>>全米オープン対戦表<<既にテニス殿堂入りを果たしている34歳のヒンギスが、最初に四大大会の女子ダブルスで優勝したのは18年前の全豪オープンの時で、全米オープンでは17年ぶり2度目の優勝となった。
「特に今日は、やっぱりちょっと緊張を感じた。だって、しばらくぶりだったから。18年ぶり。でもまた新たにやらなければと感じていた。最初は18年も前だったなんて考えずにね。何が大切かって、今日、この瞬間なの。」と語るヒンギスは、1998年の全米オープンでJ・ノボトナと組んで以来2度目の優勝となった。
ヒンギスは、11日に行われたミックスダブルスの決勝戦でも
L・パエス(インド)と組んで優勝しており、今大会2冠達成となった。
また、1990年代にシングルスで5度のグランドスラム優勝を飾ったヒンギスは、その後世界ランク1位に上り詰めた。引退したのは2002年の時で足の怪我のためだった。
2006年に復帰するも、2007年のウィンブルドン期間中に受けたドーピング検査でコカイン陽性反応が出てしまい、2年間の出場停止処分が下されると同時に2度目の引退を発表した。ヒンギスは当時、薬物の使用を否定していたが不服申し立ての訴えを起こすことはしなかった。
その後、コーチとして女子ツアーに再び姿を表すようになったヒンギスだったが、今ではまた現役選手として活躍している。恐らく来年のリオ・オリンピックへの出場も視野に入れているのではないかと言われている。
シングルスでの復帰はと問われたヒンギスは「それはもう十分。昨日、練習でシングルスをやったけど、死にそうになってしまった。シーズンは長いし、ハードコート・シーズンでもあるから。サニア(ミルザ)やリエンダー(パエス)と一緒にグランドスラムで勝っている方が、体を酷使しているよりよっぽど良いわ。」とヒンギスは今の心境を語っていた。
自身の名前の由来となった
M・ナブラチロワ(アメリカ)のように、40代後半になっても現役を続けているかとも聞かれたヒンギスは「そうかもしれない。でも私はマルチナ・ナブラチロワではないわ。」とおどけて答えていた。
ヒンギスとミルザは、今年の3月からペアを組み始め、7月のウィンブルドンに続いてグランドスラム2大会連続での優勝となった。
ミルザは「私達はコートの上でも外でもお互いを信用し合っているの。それがコートでの厳しい状況の時にも手助けになっていると思う。明らかに、彼女(ヒンギス)のネットでのプレーと私のベースラインからのプレーというお互いのプレーがマッチしているし、補足し合っていると感じている。」と、ヒンギスとのプレーについて語っていた。
さらに「私達にかかる全てのプレッシャーなど、そんな状況をくぐり抜けて勝利を手にすることが本当に嬉しいの。」と加えていた。
敗れたシュウェドワは「彼女達から勝利を手にするのは困難なこと。でも次は勝ちたいと思う。」とヒンギスとミルザのペアを称賛していた。
ミルザはこの優勝は、祖国インドでも大きなニュースになっていると語る。
「グランドスラムはとても意味のある大会。インド人女性として、ここまで成し遂げてきたこと、それが最初の女性として成し遂げられたことはとても素晴らしいと思っている。インドだけではなくインド人女性にとってスポーツへの選択と言う意味でもね。だからインドの女性ももっとプライドを持って欲しいと願っている。」と、祖国への思いも述べていた。
(STATS - AP)
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