パリオリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)は日本時間3日(現地2日)、テニス競技の男子シングルス準決勝が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第11シードの
L・ムセッティ(イタリア)を6-4, 6-2のストレートで破り、5大会目のオリンピックで初の決勝進出を果たした。試合後、ジョコビッチは「この瞬間を20年近く待ち望んでいた」と語った。
>>ジョコビッチvsアルカラス 1ポイント速報<<>>【一覧】パリオリンピック テニス 全種目ドロー<<37歳で世界ランク2位のジョコビッチはこれまでのキャリアで、四大大会やATPマスターズ1000といったビッグタイトルを総なめにしてきたが、オリンピックでの金メダルのみ唯一手にできていない。
ジョコビッチがオリンピックに出場するのは5大会連続5度目で、最高成績は2008年の北京オリンピック(中国/北京、ハード)での銅メダルとなっており、今大会では悲願の金メダルを狙っている。
今大会は1回戦で
M・エブデン(オーストラリア)、2回戦で元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)、3回戦で世界ランク70位の
D・ケプファー(ドイツ)、準々決勝で第8シードの
S・チチパス(ギリシャ)を下し4強入りした。
世界ランク16位のムセッティと顔を合わせた準決勝の第1セット、開始から互いにサービスキープを続けると終盤となる第10ゲームでジョコビッチがブレークに成功し先行する。
続く第2セットでは開始から互いにミスが目立ち2度ずつブレークを奪い合うもジョコビッチは第5ゲームをサービスキープ。そのまま5ゲームを連取し1時間50分で勝利。同種目で37歳74日での決勝進出は史上最年長の記録となった。
男子プロテニス協会のATPは公式サイトにジョコビッチのコメントを掲載。オンコートインタビューで「この瞬間を20年近く待ち望んでいた。オリンピックには4回出場したけど、今回が5回目で準決勝を突破したことは1度もなかった。準決勝で3回負けた。この大きなハードルを乗り越えることができた。正直に言うと、負けた準決勝のことばかりを考えていたよ」と語った。
「僕はただこの瞬間に集中しようとした。彼(ムセッティ)は絶好調の選手であり、本当に両サイドから攻撃を仕掛けてきた。僕はただ集中力を保ち、やるべきことをやろうとしただけだよ。第2セットは全体的にとても緊張していた。試合前も試合中も、とにかく緊張していた。でも、このハードルを乗り越えて母国にメダルをもたらすことができてとてもうれしい」
「このスポーツで多くの偉業を達成してきたけど、オリンピックの決勝に進出したことは1度もなかったのでとても興奮している。セルビアのファンや世界中の人々に喜びを届けられたことを願っている。もちろん明日はアルカラスとの決勝戦について考えるけど、休みがあることに感謝している。休みは必要だからね」
勝利したジョコビッチは決勝で第2シードの
C・アルカラス(スペイン)と対戦する。アルカラスは準決勝で第13シードの
F・オジェ アリアシム(カナダ)を6-1, 6-1のストレートで下しての勝ち上がり。
なお、ジョコビッチは決勝戦で勝利し金メダルを獲得した場合、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)、全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)、ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)の四大大会とオリンピックを選手キャリアで制す生涯ゴールデンスラムを達成することとなる。
この記録を達成したのは女子では
S・グラフ(ドイツ)と
S・ウィリアムズ(アメリカ)、男子では
A・アガシ(アメリカ)とナダルの4選手のみとなっている。
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