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重要局面で誤審「審判も人間」

アレクサンダー・ズベレフ
主審とボール跡を確認するズベレフ
画像提供: ゲッティイメージズ
テニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は9日、男子シングルス決勝が行われ、第4シードのA・ズベレフ(ドイツ)は第3シードのC・アルカラス(スペイン)に3-6, 6-2, 7-5, 1-6, 2-6のフルセットの死闘の末に敗れ、四大大会で2度目の準優勝となり、初優勝とはならなかった。試合後の会見でズベレフはファイナルセットでの誤審について「審判だってミスをする。彼らも人間だからね」と語った。

>>【画像】重要な局面で誤審、テレビ中継で放送された画像ではわずかにアウト<<

>>アルカラスが初優勝 全仏OP組合せ・結果<<

世界ランク4位で27歳のズベレフは今大会、1回戦で元世界ランク1位のR・ナダル(スペイン)を下し初戦を突破すると、その後2回戦で世界ランク115位のD・ゴファン(ベルギー)、3回戦で第26シードのT・フリークスポール(オランダ)、4回戦で第13シードのH・ルーネ(デンマーク)、準々決勝で第11シードのA・デ ミノー(オーストラリア)、準決勝で第7シードのC・ルード(ノルウェー)を下し、大会初の決勝進出を決めた。

世界ランク3位のアルカラスと顔を合わせた決勝戦の第1セット、3本のウィナーに対し10本のアンフォーストエラーを犯したズベレフは3度のブレークを許し先行される。それでも第2セット、第5ゲームでアルカラスのミスを誘い先にブレークを果たすと第7ゲームでもブレークを奪い1セットオールに追いつく。

そして第3セット、ズベレフは第6ゲームで先にブレークを許すも、第9ゲームでブレークバックに成功。第11ゲームではラリー戦を制して2度目のブレークを奪い、セットカウント2-1と勝利に王手をかける。

しかし第4セット、第2ゲームでアルカラスにパッシングショットを決められブレークされると、そのまま4ゲームを連取される。その後1度はブレークを返すも追いつくことはできず、勝負はファイナルセットにもつれ込む。

迎えたファイナルセット、ズベレフは第3ゲームで先にブレークを奪われるも直後の第4ゲームでブレークバックのチャンスを得る。40-15とした場面ではアルカラスのセカンドサービスを線審がフォルトの判定。ダブルフォルトによりズベレフがブレークバックに成功したかに見えたが主審がボールの跡を確認し判定をインに覆した。

しかし、その後、テレビ中継で流れたビデオ映像ではわずかにアウトとなっており、実際はフォルト。重要な局面でブレークバックとなるはずだったが、試合はそのまま行われ、結果的に第7ゲームで2度目のブレークを許したズベレフは4時間19分で力尽きた。

ズベレフは2020年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)に続き、四大大会で2度目の準優勝となった。

試合後の会見でズベレフは「今日は全力を尽くしたと思う。第5セットでは不運な瞬間もあった。(ゲームカウント)2-1でセカンドサーブがアウトになったと聞いた。ホークアイの映像から、そのことが分かった。僕はそこでブレークしていたかもしれないけど、それが現実。彼は素晴らしいプレーをした。第4セットと第5セットは僕よりも良いプレーをしていた。それが現実なんだ。今回のグランドスラム決勝では全力を尽くしたと感じている。全米オープンでは自分に負けてしまったような感じだったので少し違う」とコメントした。

また、ファイナルセットで起きた誤審について質問を受けたズベレフは次のように答えている。

「第5セットで(ゲームカウント)3-1で負けているのと2-2に追いついているのとでは違いがある。それは決定的な違いだね。フラストレーションがたまるけど、それが現実。審判だってミスをする。彼らも人間だからね。でも、もちろん、ああいう状況ではミスがないことを願うものだね」

一方、優勝を飾ったアルカラスは全仏オープン初制覇。四大大会では2022年の全米オープン、2023年のウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)に続き3つ目のタイトル獲得となった。


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(2024年6月10日8時53分)

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