テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は31日に男子シングルス2回戦が行われ、ワイルドカード(主催者推薦)で出場し今大会での引退を発表している元世界ランク8位の
J・イズナー(アメリカ)は同じくワイルドカードで出場している
M・モウ(アメリカ)に6-3, 6-4, 6-7 (3-7), 4-6, 6-7 (7-10)のフルセットの激闘で敗れ、現役生活最後のシングルスの試合を終えた。試合後にイズナーは涙を流した。
38歳のイズナーは208cmの長身をいかしたビッグサーブを武器に長年活躍。男子プロテニス協会のATPが記録しているエース本数で歴代最多となっている。
これまで16度のシングルスタイトルを獲得。2018年にはマイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)を制覇するなどし自己最高となる世界ランク8位を記録したイズナーは、先月23日にSNSを更新し今大会での引退を表明していた。
迎えた今大会、1回戦では世界ランク94位のF・アコスタをストレートで下し2回戦進出を果たしたものの、最後は同胞のモウに死闘の末に屈して3時間57分で敗れた。
また、今大会は同じく引退を表明している
J・ソック(アメリカ)とのペアでダブルスにエントリーしていたが、同日行われた1回戦でR・ギャロウェイ(アメリカ)/ A・オリベッティ(フランス)組に2-6, 6-3, 6-7 (3-10)のフルセットで敗れ敗退。イズナー、ソックというアメリカテニス界を支えた選手が引退となった。
試合後の記者会見に登場したイズナーは涙ながらに現役時代を回顧した。
「いろいろな感情があるよ。もちろん今日のシングルスは残念な結果だったけれど、同時に、あのような雰囲気の中で最後にプレーできたことへの感謝の気持ちもある。とてもクールだった。コート上でも言ったけど、感謝の気持ちがあるから僕はこんなにハードに働いているんだ。体の調子が悪いのを説明するのは難しいよ(笑)。今は話さないけど、最近全般的にね。だから、プレーできるようにするためにすることは、たくさんしなくてはいけないことがあるんだ」
「全体的に楽しい試合だった。もちろん、結果は残念だけど、自分のキャリアで達成したことを誇りに思うよ。コート上では自分がいいライバルだと思いたい。すべての試合で勝てるとは限らない。接戦でたくさん負けるかもしれない。コート上では、窮屈になって少し息が詰まるかもしれない。そういうこともある。でも、それと同時に、僕はこのスポーツを愛している。コートでかなりハードに戦った人として記憶されたい。僕はそう思っているから」
そして涙ながらにテニスへの別れを語った。
「でもコートの外では、そうだね、ロッカールームの中で同僚から尊敬されることが1番大事だと思う。テニスは…、僕の人生の大きな部分を占めている。さよならを言うのはつらい。簡単なことじゃない。でも、いずれはこの日が来る。その感情に備えるのは難しいけど。最も重要なことは、僕には素晴らしい人生があるということだ」
「まずやることは4人の子どもたちとテキサスに戻る旅。それはとても楽しいことだね。いや、いろいろあるよ(笑)。見たい場所、旅行したい場所がたくさんあるんだ。幸運なことに、僕にはその余裕がある。すぐに何かに飛び込む必要はない。それは確かだ」
「でももちろん、僕はただベストでありたいんだ。この先僕ができる最も重要なことは、最高の夫であり父親であること。テニスのおかげで、いつもそうすることができた。テニスのおかげで、トレーニングに行き、汗を流し、エネルギーに満ち溢れて帰ってきて、家族と過ごすことができる。間違いなく、もう本気の練習をすることはないだろう」
「だから、生活の調整が必要なのは確かだ。ただ、その過程で良い決断をし、良い人間であり続けなければならない。それで失敗することもあるだろうけどね(笑)」
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