5月1日、都内某所にて日本テニス協会強化副本部長でWOWOWテニス解説者の
松岡修造氏が、27日に開幕する全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)について語った。
全仏オープンの特徴は、赤土のクレーコートで、球足が遅い。そのためロングラリーになりやすく、技術や精神力が勝負の鍵と言われている。
【クレーキング・ナダルの壁】今年の全仏オープンの見どころを松岡氏は「どうやって
R・ナダル(スペイン)選手を崩すか」とあげた。
続けて、クレーで圧倒的な強さを発揮するナダルに勝てる選手は「可能性があるのは、
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)選手か
錦織圭選手だと思います」と述べた。
松岡氏は錦織について「体力的・精神的にしっかりしたものがなければいけない。プラス、フォアハンドの強打がけがをしてから、まだ本来のものになっていない。モンテカルロの彼(錦織)のフォアは(これまでと比べると)5割もいっていないです。でも、良かった点はループ系のボール。攻撃しているのはバックハンド、だからフォアのミスは少なかった。(モンテカルロ・マスターズの)ナダル戦の序盤はフォアで無理をした。あれが入ってくると、可能性がある」と期待を寄せた。
デルポに関しては「全部フォアの強打を貫くと勝つ見込みがある」と口にした。
「
A・ズベレフ(ドイツ)選手と
D・ティーム(オーストリア)選手もあげたいですが、経験値など総合力で見るとナダルに勝つにはまだまだのような気がします」
また、全仏オープンで前人未到10度の優勝を誇るナダルの強さについて「押されていても打っている。特にバックハンドで。バックハンドのクロスが特にいいです。オリンピックの時はミスも多く、攻撃をしてこなかったのですが、あれからナダルは進化しているから、今のナダルにクレーで勝つのは難しいですね」と太鼓判を押した。
もし錦織がナダルと対戦することになった場合について問われた松岡氏は「正直、あたってほしくないです。本当にナダル選手は強い。だから(ナダルは)当たらない方がいいです(笑)。それは、正直な気持ちです」とコメントした。
最後に松岡氏は自身が現役時代に対戦し、錦織のコーチを務める
M・チャン(アメリカ)のサーブに関しての考え方が重要だと明かした。
「マイケルの良さは、サーブの捉え方でした。サービスをどう使っていくか、それが長けていました。そこを錦織選手は学んでほしいです。フォアに関しては本人が言っていたように『大事な場面で、大事な試合で打つことができるか』。(復帰戦の)チャレンジャーは、彼からすると初心者感覚。何をやってもうまくいかなかった。彼の良さはコートの中に入っての攻撃。だから考えた時点で打てないショット、だから錦織選手にしか打てない。克服するには試合で失敗しても継続しかない」
【大坂、四大大会初Vの可能性】今年3月のBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、プレミア・マンダトリー)でツアー初優勝を果たした20歳の
大坂なおみへ松岡氏は期待を膨らませていた。
「(大坂を)世界が期待している。グランドスラムで彼女(大坂)がいつものテニスをしたら、負けようがない。(昨年と比べて)変わったとは思っていないです。ただ『安定した』というのはあると思います。大事な時にポイントをとれるようになっていますが、色んな大会を見ると安定していない時もあります。アップダウンは激しいですが、これが大坂さんの良さだと思います。(グランドスラム優勝は)できないわけがない」
全仏オープンは雨による悪天候の影響で状況が変わる、ボールが重くなる、中断などが起きる。松岡氏は、その状況になった際の戦い方が勝敗を分けると語り、大坂を『ナオミ・キャンドル』と例えた。
「経験の面では、それが起きた時に彼女がどう捉えるか。キーワードを出すなら、僕は『ナオミ・キャンドル』と書こうと思う。彼女の心の炎が燃え続けていれば、こんなに輝ける選手はいないです。彼女は輝かなければいけない、それができれば優勝できる」
WOWOWでは、2018シーズンのグランドスラム第2戦、全仏オープンテニスを連日生中継。現地の感動と興奮をお伝えする。
■『錦織圭・大坂なおみ 世界の頂点へ!全仏オープンテニス開幕直前スペシャル!』
【放送日】5月26日(土)夜7時~[WOWOWプライム] ※無料放送
詳しくは番組オフィシャルサイト(wowow.bs/tennis)へ!
http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/
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