先日、男子テニスツアー最終戦のNitto ATPファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)が幕を下ろし、2017年シーズンのATPツアー全日程が終了した。改めて現在の世界ランキングを見てみると、1月に開幕した時には想像していなかった顔ぶれがトップに名を連ねており、今年のテニス界の流れを表している。
1番印象に残っていることは、やはり怪我から復帰した
R・ナダル(スペイン)と
R・フェデラー(スイス)の完全復活。復帰後すぐの全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)決勝で直接対決が実現し、強烈なカムバックをテニス界へ印象づけた。
それとは対照的に、昨年結果を残した世界トップ選手たちが怪我によりシーズン中盤頃から失速。トップ10に位置していた
A・マレー(イギリス)、
N・ジョコビッチ(セルビア)、
S・ワウリンカ(スイス)、
錦織圭の4選手が怪我により早期ツアー離脱を余儀なくされた。
トップ選手が次々と脱落していく中、その他のツアー大会ではいわゆる「中堅」と呼ばれる選手たちが活躍を見せた。
今年1年を振り返るべく、今シーズン最初の世界ランキングとシーズン終了時のランキングを比較したところ、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)準優勝を飾った
K・アンダーソン(南アフリカ)やNitto ATPファイナルズで念願のビッグタイトルを獲得した
G・ディミトロフ(ブルガリア)などがジャンプアップ。
また、若手選手の中で群を抜いて結果を残している
A・ズベレフ(ドイツ)も気付けばトップ5入りを果たしていた。
今季、トップ20で最も大きくランキングを上げた選手は以下の通り。
※今年1月のランキング→今季最終ランキング、()内は変動数、【CH】はキャリアハイ
K・アンダーソン 67位→14位(+53)
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン) 38位→11位(+27)
A・ズベレフ 24位→4位(+20)
P・カレノ=ブスタ(スペイン) 30位→10位(+20)【CH】
S・クエリー(アメリカ) 31位→13位(+18)【CH】
J・ソック(アメリカ) 23位→8位(+15)【CH】
R・フェデラー 16位→2位(+14)
G・ディミトロフ 17位→3位(+14)【CH】
2017年シーズンも終わりを迎え、選手たちはこれから短い休暇を経て、2018年シーズンへ向けて始動する。
来シーズン開幕戦のブリスベン国際(オーストラリア/ブリスベン、ハード、ATP250)には錦織をはじめ、ナダル、マレー、
M・ラオニッチ(カナダ)、
N・キリオス(オーストラリア)らがエントリーしている。
怪我で長らく休んでいたトップ選手たちが復帰を果たし、よりツアーを盛り上げるだろう。今年活躍した選手たちとの熱き戦いにも期待がかかる。
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