テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は30日、女子シングルス1回戦が行われ、世界ランク1位で第1シードの
S・ウィリアムズ(アメリカ)が
E・マカロバ(ロシア)を6-3, 6-3の快勝で退け、史上最多となる四大大会23度目の優勝へ向けて好スタートを切った。
セリーナは右肩の痛みから練習を満足に出来ない日が大会直前まで続いており、不安を抱えての試合となった。しかしその不安を一蹴するかのように、12本のサービスエースを記録し、195キロの最速サービスを放つなど、好調なプレーを披露しマカロバを退けた。
「今日の自分のサービスにはとても満足している。ほとんど練習をしていなかったから。練習では、全く入らなかったから、この結果には本当に興奮している。」と34歳のセリーナは、自身のプレーに驚きを隠せなかった。
6月に行われたウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)での優勝で、1968年のオープン化以降での四大大会最多優勝である
S・グラフ(ドイツ)が持つ22回に並んだセリーナ。その後に出場したリオデジャネイロ・オリンピックでは3回戦敗退を喫し、その後に出場を予定していた大会を右肩の痛みから欠場していた。
そのためウィンブルドンから今大会まで、オリンピック以外に大会へ出場することなく今大会へ臨んでいた。
世界ランク29位のマカロバは、これまで四大大会では2度ベスト4入りする成績を残しており、2012年の全豪オープンではセリーナから勝利を飾っていた。
セリーナは「彼女(マカロバ)とはこれまでも対戦した事があったから、今日は集中して試合に臨まなければならないと分かっていた。ベスト4へも進んだ事があるし、四大大会で上位進出する力を持っている。大きな舞台でどんなプレーをしなければならないかを知っている選手で、怖がらず向かってくる。集中して戦う以外なかった。」と、試合への気持ちを明かしていた。
両腕を黒の長袖で覆われたウェアーで試合へ臨んでいたセリーナ。本人は「常に筋肉が温められているから、有効に働いている」とそのウェアーを評価していた。その言葉通りファーストサービスの平均は174キロで、ファーストサービスでは20本中17本でポイントを獲得しており、全体でも46本中36本でポイントを奪う最高のサービスゲームを展開していた。
肩の痛みからサービスの練習が出来なかった事が、ある意味功を奏したとも言う。なぜなら、そのためにフットワークを含め他の事を集中的に練習が出来たと話すセリーナは「ほとんどボールが打てなかった。体を万全な状態にしたかった。しかしその事が良い結果を生んだのかもしれない。」と語っていた。
昨年は同大会まで、四大大会で4連続優勝を果たしており、それは「セリーナ・スラム」と呼ばれていた。そして昨年の全米オープンでの優勝が、同一シーズンで全ての四大大会で優勝する年間グランドスラムを達成となるはずだった。それは1988年にグラフがなし得て以来誰も達成していない。
そして年間グランドスラムまであと2勝と迫った準決勝では、それまで一度も敗れた事がない
R・ビンチ(イタリア)の前に苦杯を喫してしまい、その夢が絶たれてしまった。
後にセリーナは、何が問題だったかを認識させられたと語っていた。
昨年のような歴史的な記録がかかっていない今年の全米オープンは、より気持ち良く臨めるのではとセリーナは問われていた。
「昨年は素晴らしい経験をさせてもらった。長い間誰も達成していない事に挑戦することができた。最高の結果や望んでいたような終わり方ではなかったけれど、それでもあれが自分自身が出来た最大の事だった。もしまた今年も準決勝へ進むことが出来たら、きっと興奮してしまうと思う。」と質問に答えていた。
(STATS - AP)
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