女子テニスで世界ランク7位の
M・シャラポワ(ロシア)は、血液の循環を促進する作用が認められた薬であるメルドニウムの使用を認めたことでドーピング違反となり、テニス界のみならず世界を騒がせている。
シャラポワと契約している大手スポンサーが次々と契約停止を決断する中、ラケット・ストリング・グリップの専属契約を結んでいるヘッドは、今回の騒動後に契約を継続することを発表した。
ヘッドは、高品質スポーツ用品およびアパレルの大手グローバル製造・販売企業。テニスでは、男子世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)、同2位の
A・マレー(英国)、同7位の
T・ベルディヒ(チェコ共和国)、同10位の
R・ガスケ(フランス)、同12位の
M・チリッチ(クロアチア)ら世界トップ選手が愛用している。
ヘッドは一企業として、厳格な反ドーピング方針を採用している。シャラポワの件に関して、ヘッドはシャラポワ自身による会見での表明に照らして、提携関係について確固たる結論に到達するため、事実関係をきわめて詳細に分析した。
シャラポワがWADA(世界アンチ・ドーピング機構)禁止薬物の使用について陽性判定を受けたことは疑う余地がないものの、2016年1月1日以前に推奨された用量(パフォーマンス向上効果をもたらすレベルを大きく下回る)によるメルドニウムの継続使用が、シャラポワによる明らかなミスであったという状況証拠も同様に疑う余地のないものであると結論付けられる。
さらに、ミルドロネート(メルドニウムの別名)の使用によって、パフォーマンスの向上や不正な優位の獲得をシャラポワが意図していた証拠がないことから、ヘッドはこれが「不正でない」過ちの範ちゅうに該当するものであると結論付けた。
シャラポワは過去10年以上にわたり、テニスをプレー及び観戦する世界中のファンたちを刺激してきた。自らの過ちを公表し認めることで示したその誠実さと勇気は、称賛に値するもの。ヘッドは今後も、誇りを持ってシャラポワを後押しするとともに、契約を延長する方針であると明かした。
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