女子テニスで世界ランク7位の
M・シャラポワ(ロシア)のラケット・スポンサーで、契約の継続を表明しているHEAD(ヘッド)は、陽性反応が出たメルドニウムは禁止薬物に指定されるべきものではないと主張している。
シャラポワは、全豪オープン期間中に受けた検査で世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が今年から新たに禁止薬物に指定したメルドニウムの陽性反応が出ていた。
「我々はWADAがこれまでしてきたことを考えても、なぜメルドニウムを禁止薬物に指定する決断を下したのかに疑問を抱く。」と11日に語ったのはヘッドのJ・エリアシュ会長で、それはシャラポワが2011年から使用契約を交わしていたヘッドが今後もシャラポワを応援する姿勢を示した翌日のことだった。
エリアシュ会長が主張するには、シャラポワはメルドニウムを少量しか摂取しておらず、その量ではパフォーマンスを向上させるだけの可能性はないと考えられている。
「こような状況では、我々はメルドニウムが禁止薬物だとする主張を認める科学的実験結果をWADAが発表するべきだ。」とエリアシュ会長は述べていた。
エリアシュ会長の発言はヘッド社のウェブサイトに11日に掲載された。オーストリアに基盤を置いているこの会社は、シャラポワとの契約を延長するとした会長の発言を短くしたバージョンを公表したが、彼の最初のコメントは含まれないとするコメントも添えられていた。
シャラポワとの契約を継続する決断は、同じくヘッド社とラケット契約を交わしている
A・マレー(英国)から「不思議な姿勢」だと言われている。11日にマレーが出場しているBNPパリバ・オープンの会場でそのことについて問われた。
マレーは、ヘッド社がシャラポワと契約を継続するという決断を、より一層の情報が出されるまで待っていても良かったのではと気持ちを明かしていた。
未だに東ヨーロッパでは広く服用されているメルドニウムは、歴史的にもソビエト連邦時代の兵士が持久力を高めるために用いられた血流を良くする薬。
シャラポワはこの薬を数々の健康上の理由からこの10年間服用していたと語っていた。そして、それが2016年のシーズンから新たに禁止薬物に追加されたリストのチェックを怠ってしまったと語っていた。
彼女は長期に亘る出場停止処分を下されるとみなされており、この夏に開催されるリオ・オリンピックへロシアを代表して出場する可能性も絶たれると考えられている。
スポーツ用品の大手であるナイキ、スイスの時計メーカーのタグホイヤー、ドイツの高級車メーカーのポルシェなどは、シャラポワの発表後にスポンサー契約の凍結を決めている。
(STATS - AP)
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