ウイルソンを展開するアメアスポーツジャパンは、「ネットプレーで優位性を発揮する黄金スペック」という新しいコンセプトで生まれた最新ラケット「ULTRA(ウルトラ)シリーズ」を2月下旬に発売した。
300g+100平方インチで中厚のフレーム。いわゆる「黄金スペック」と呼ばれるモデルは、幅広い層のプレーヤーをカバーし、どんなプレーにも適応する万能モデルとして評価されている。
だが、その一方で万能さゆえの欠点というのもある。絶対的なパワーを求めるプレーヤーにはやはり非力さは否めないものであり、ネット際でのボレーの鋭さを求めるプレーヤーにはパワーを持て余してしまうという面が出てくる。
ULTRAシリーズはネット際で戦うプレーヤーのためのチューニングが与えられた「ネットプレーヤーのための黄金スペック」というコンセプトのモデル。
200キロのサービスでもベースライン上では100キロ以下にまで落ちると言われる。半分以下のスピードだ。それほどバウンドによる損失は大きい。リターンやストロークではバウンド後のボールを遠くに打ち返すショットで、ラケットのパワーはその状況を基準に語られることが多い。
それに対し、ボレーは相手が打ったボールを飛行中に叩くショット。ボールの持つスピードやエネルギーはその分だけ大きく、ラケットに求められる「パワー」もサービスやストロークとは違ったものになる。
ULTRAシリーズはそこに着目し、勢いがあるボールに対しての対応力を上げ、ボレーのパンチ力やコントロール性を向上させた「ネットプレーヤーのための黄金スペックモデル」となっている。
ULTRA100は「ネットプレーヤーのための黄金スペック」をコンセプトとした万能モデルで、ストローク時にはやや飛びが抑えられた味付けになっているため、コントロール良くコートに収まり、ボレーでは鋭いボールがコートに収まるチューニングとなっている。ストロークでもしっかりとしたインパクトで攻める、ダブルスの強豪としても知られる
L・サファロバ(チェコ共和国)が使用する本格派。
ULTRA103Sは横糸が縦糸より少ないSラケ設計のため、ボレー時の回転の操作を重視したいプレーヤー向けのモデル。ULTRA 108はウェイトを下げ、より高い操作性と広いスイートスポットを求め、一層パワーのあるボレーを打ちたいプレーヤー向けとなっている。
しっかりとしたフレームが、大きく手を広げてボールを受け止めて弾き返す。ULTRAはそんな雰囲気の打球イメージと例えることができる。
堅牢なフレーム特性との相乗効果で、より確実にボールを捕らえるためのチューニングであり、中でもフラッグシップのULTRA100では、スイートスポットを拡大するパラレルドリルがフレーム上部に8カ所、フレームサイドに14カ所配置(103では上10カ所、サイド11カ所、108は上10カ所、サイド14カ所となっている)。スイートエリアの拡大効果が実感できるセッティングとなっている。
「黄金スペック」の定義は一つではない。基準となるショットやプレースタイルが変われば、おのずとラケットに求める特性も変わっていく。ネットプレーを重視した万能のラケットを探しているのなら、このULTRAシリーズを選択肢から外すべきではない。
2月下旬発売の「ULTRA(ウルトラ)シリーズ」
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