テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)の準々決勝で王者
N・ジョコビッチ(セルビア)に完敗を喫すも、2年連続3度目のベスト8進出を果たした世界ランク7位の
錦織圭は確かな手応えを感じた。
>>全豪オープン対戦表<<15日に発表された全豪オープンの対戦表は、グランドスラム初優勝を狙う第7シードの錦織にとって「死のブロック」とも言える組合せだった。
1回戦ではシード選手以外でランキング最上位の
P・コールシュライバー(ドイツ)、シード勢が順当に勝ち進んだ場合は昨年の全仏オープンで打ちのめされた第9シードの
JW・ツォンガ(フランス)か因縁の相手である第17シードの
B・ペール(フランス)、さらに準々決勝では2連覇と6度目の優勝を狙う絶対王者ジョコビッチ。
迎えた大会初日、錦織は元世界ランク16位のコールシュライバー相手に終始主導権を握り、ストレート勝利の好発進。
一方、初日に波乱が起きた。第17シードのペールが世界ランク328位の
N・ルービン(アメリカ)に6-7 (4-7), 6-7 (6-8), 6-7 (5-7)のストレートで敗れ、初戦で姿を消した。ペールといえば昨年の全米オープン1回戦と楽天ジャパン・オープン準決勝で錦織を破ったことでも記憶に新しい選手。
トップハーフ上半分のブロックからペールが消える中、錦織は2回戦で
A・クライチェック(アメリカ)、3回戦で第26シードの
G・ガルシア=ロペス(スペイン)に苦戦するも勝利し、ベスト16へ駒を進めた。
4回戦は強敵のツォンガと対戦。接戦が予想される中、錦織は序盤からエンジン全開で攻め続け、2年連続3度目の8強入りを果たした。
そして、準々決勝は世界ランク1位のジョコビッチと激突。ジョコビッチは4回戦で第14シードの
G・シモン(フランス)に大苦戦するも、激闘を制してベスト8へ進出していた。
4回戦で錦織はストレート勝利、さらに雨により屋根が閉じていたため直射日光を避けられていた。これに対しジョコビッチは、炎天下の中で4時間32分の戦いを強いられ心身共に消耗が激しかった。
これで錦織が有利かと思われたたが、王者ジョコビッチは準々決勝で驚異の修正をしてきた。
序盤、錦織はジョコビッチの足を止めるバックハンドのウィナーを放ち互角に戦うも、4回戦とは別人のジョコビッチに流れが傾き始める。
その後はスマッシュミスなどで先走る気持ちと自身のプレーが噛み合わず、2セットダウンの崖っぷちに。
第3セットはジョコビッチのサービスゲームをブレークして希望の光が見える中、さらにギアを上げてきたジョコビッチにリードを許し、ストレート負けを喫した。
昨年の全米オープン初戦敗退から重要なポイントを取り切れないなど、近年の錦織は快進撃となった2014年のイメージがなかった。
しかし、今年の全豪オープンでは「死のブロック」から2年連続3度目のベスト8進出。特にツォンガ戦では錦織らしい攻めのテニスを披露し、グランドスラム初制覇へまた一歩前進した。
今後は2月8日から始まるメンフィス・オープンで前人未到の4連覇を目指す。
【錦織 vs ジョコビッチ 過去の対戦成績】<2016年>
・全豪オープン準々決勝 N・ジョコビッチ 6-3, 6-2, 6-4 錦織圭
<2015年>
・ATPツアー・ファイナル ラウンドロビン N・ジョコビッチ 6-1, 6-1 錦織圭
<2015年>
・ローマ・マスターズ準々決勝 N・ジョコビッチ 6-3, 3-6, 6-1 錦織圭
<2014年>
・ATPツアー・ファイナル準決勝 N・ジョコビッチ 6-1, 3-6, 6-0 錦織圭
<2014年>
・パリ・マスターズ準決勝 N・ジョコビッチ 6-2, 6-3 錦織圭
<2014年>
・全米オープン準決勝 錦織圭 6-4, 1-6. 7-6 (7-4), 6-3 N・ジョコビッチ
<2011年>
・スイス・インドア準決勝 錦織圭 2-6, 7-6 (7-4), 6-0 N・ジョコビッチ
<2010年>
・全仏オープン2回戦 N・ジョコビッチ 6-1, 6-4, 6-4 錦織圭
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