今シーズン好調なプレーを続けていた女子テニスで世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)だが、当初出場を予定していたチャイナ・オープン女子と、既に出場権を獲得しているWTAツアー最終戦を欠場し、怪我の治療と全米オープンでの敗戦からの傷心を癒すための時間にあてる意向を示すと同時に、今季の活動を終了することを明らかにした。
セリーナは今季、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドンを制し、1988年の
S・グラフ(ドイツ)以来となる同一シーズンで全てのグランドスラムで優勝を飾る年間グランドスラム達成をかけて全米オープンへ臨んだ。
その大会でも順当な勝ち上がりを見せ準決勝へ進出し優勝まであと2勝と迫ったものの、ノーシードから勝ち上がった
R・ビンチ(イタリア)の前にまさかの敗退を喫してしまった。その敗戦以降、公式戦には出場していない。
「シーズンのほとんどを怪我を負いながら戦って来たのは隠すまでもないことです。それは肘だったり膝だったり、そして全米オープンでの最後の試合で負ってしまった私の心もです。」と、出された声明に綴られていた。
セリーナは来週、中国は北京で行われるチャイナ・オープン女子と、10月25日から11月1日にかけてシンガポールで行われる女子ツアー最終戦への出場を取り止め、今シーズンの競技を終了させる決断を下した。
「出来る限り良いプレーをして、出来る限り長く戦いたいと思っています。そのためにも将来を見据えたステップをとって、北京とシンガポールを欠場して、自分の健康にしっかり対処して回復させる時間を持つことにしました。」とセリーナは自身の思いを綴っていた。
オフシーズン中にコートへ戻り、来年1月に行われる全豪オープンへ向けて準備を始める予定だと語ったセリーナ。その全豪オープンでは自身22度目のグランドスラム優勝を目指す。それはグラフが持つグランドスラム最多優勝回数の22度に並ぶものとなる。
「これはとても難しい決断でした。しかしテニスというスポーツを愛する気持ちから最終的に下したものとなったのです。オフシーズンに練習を再開して、今年の終わりに予定していたエキシビションに参加するつもりでいます。そうするためにも、集中して集中して集中する必要があります。この美しいテニスという世界での旅を続けるためにも。」と続けていた。
セリーナは既に今季を世界ランク1位で終わらせることが決まっている。これは3年連続で、自身5シーズン目のこと。
また、WTAツアー最終戦もここまでの3年間連続で優勝しており、昨年の優勝は同大会5度目のタイトルとなっていた。
「セリーナの健康は1番優先すべきものです。」と語るのは女子プロテニス協会であるWTAのM・ロウラー会長。「怪我へのリスクは、世界のトップで戦うアスリートが抱える現実なのです。北京とシンガポールで彼女の姿を見られないのは非常に悲しいですが、彼女の早急な回復を願っています。」と、会長から木曜日に出された声明で語られていた。
数日前には世界ランク3位の
M・シャラポワ(ロシア)も、左腕前腕の怪我からチャイナ・オープン女子への欠場を表明したばかりだった。シャラポワはまだツアー最終戦への出場を予定している。
(STATS - AP)
■関連ニュース■
・セリーナ まさかの準決勝敗退・フェデラー セリーナに驚き・セリーナ「過去最もタフな試合」