31日から開幕する全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)を前に男子テニスで元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)は今シーズンについて、グランドスラム14度の優勝などへ導いてくれたサポート・チームではなく自分自身に問題があると復調へ向けての気持ちを語った。
叔父であるトニー・ナダルの指導のもと、これまで数々の功績を残してきたナダル。その叔父をコーチとするサポート・チームは、自身のテニス人生が始まった頃からずっと変わらず共に戦ってきたが、昨シーズンの終盤に苦しめられた怪我と病から復帰した今シーズンは、ここまで思うような結果が残せていない。
「現在も共に戦っているこのチームと一緒に驚くようなテニス人生を歩んできた。テニス人生のスタートからずっと同じチームなんだ。だから自分の感触として、何かが上手くいかなくても、それはチームに原因があるのではなく、自分自身にあると感じている。1つ変えなければならないのは、自分なんだ。」と火曜日に受けたインタビューで語っていた。
つまり、より一層攻撃的にプレーをする必要があると語るナダルは、ここまで結果につながっていないものの、全米オープンに向けて自分のテニスへより自信を持って臨む。
全仏オープン前に、公に自分自身への疑問を口にしていたことを考えると、これは前向きな変化と言える。
「自分のテニス人生を通して最も優れていることの1つは、精神的な強さだった。今年はここまで上手くいかなかったことは安定感。でも今は、これまでのような精神力、自分自身を信じる力がまた戻り始めている。」
来週の月曜日に開幕する全米オープンには、第8シードで挑む。最後に出場した2013年に優勝しているナダルは、昨年右手首の怪我のために欠場を余儀なくされ、大会連覇のチャンスを逃していた。
「今は体調も万全だし、それは自分にとってとても大切なこと。自分のテニスの特徴でもある俊敏な動きをするためには、万全な体調があるからこそ自信につながるからだ。もし健康でこれまで通りの練習を続けられるチャンスがあるなら、これからの数年間は高いレベルで戦い続けられると信じているし、大きな大会でのチャンスも広がると信じている。」
ナダルは全米オープン前哨戦の男子マスターズ大会2大会に出場するも、ベスト8の壁を超えることは出来なかった。しかし、ナダル自身はウィンブルドンでの2回戦敗退を含むシーズンの序盤と比べて明らかな違いを感じていた。それでも全米オープンでの優勝にはまだ遠いと思っている。
「最高とは言えないシーズンをここまで送っていながら、優勝するのに準備が出来ていると言うのなら、それは図々し過ぎる。そんなことは言いたくない。毎日一生懸命練習に励んでいるとしか言えない。プレーも徐々に良くなっているし、数ヵ月前に比べると精神的な部分でかなり良くなっている。」
「今必要なのは結果。このシーズンを振り返っても、今が1番戻りたいレベルに近付いていると感じる。だから今は辛抱の時。その目標へ向けてこの集中力を維持して練習を続けるのみ。成果を出すのに、あまり時間がかからないことを望んでいる。」とナダルは、今の素直な気持ちを明かしていた。
(STATS - AP)
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