男子テニスで
錦織圭(日本)は2014年シーズンをアジア人男子自己最高位の5位で終え、54勝14敗、ツアー4勝、全米オープンでグランドスラム初の準優勝、ツアー・ファイナルズでは準決勝進出と飛躍の年となった。
錦織は全米オープンを準優勝で終え、2014年9月にマレーシア・オープンと凱旋優勝が期待された楽天ジャパン・オープンに出場した。
アジアシーズンが始まり、錦織は優勝候補の筆頭として大会のプロモーションなど大きく携わるようになり、2年ぶり4度目の大会出場となるマレーシア・オープンに第1シードとして出場。
1回戦は免除、2回戦の
R・ラム(アメリカ)、準々決勝の
M・マトセビッチ(オーストラリア)との対戦ではグランドスラム・ファイナリストの貫録を見せつけ勝ち進む。
33歳ベテラン
J・ニエミネン(フィンランド)との準決勝は第2セットを落とすも勝利し、
J・ベネトー(フランス)との決勝に進む。
ベネトーは同大会3年連続決勝進出しており、3度目の決勝にしてキャリア初優勝を狙う。決勝は第1セットはタイブレーク、第2セットは1度のブレークで勝利するもベネトーのブレークチャンスをしのいでの勝利となった。
翌週、会場を東京に移し楽天ジャパン・オープンに第4シードとして出場。
錦織は前週の大会で日曜まで試合を行っていたため特別にシングルス1回戦を水曜に行うことになるが、ダブルス1回戦が火曜に行われ、決勝まで連日休みなく戦うこととなった。
さらには
内山靖崇(日本)と組んで主催者推薦で出場しているダブルスもあったので錦織にとってはタフなスケジュールとなっていた。
30日の火曜日に錦織/ 内山組はダブルス1回戦に出場。このペアは今年2月に行われたデビスカップ、カナダ戦の時に
D・ネスター(カナダ)/
F・ダンチェビッチ(カナダ)組を下した相性のいいペア。
試合は
M・フィルステンベルク(ポーランド)/
TH・フェイ(フィリピン)組をストレートで下し、準々決勝進出を決めた。
シングル1回戦では
I・ドディグ(クロアチア)、2回戦では同世代の
D・ヤング(アメリカ)に勝利。
いずれもストレートで下すも疲労は隠せず、ヤング戦を終えてダブルス準々決勝を予定していたが、右臀部が痛み棄権とした。
それでも連戦となる錦織は準々決勝で
J・シャーディ(フランス)と対戦し、第1セットを苦しむもストレートで下し、初優勝した時以来となる2年ぶり準決勝に進んだ。
準決勝では
B・ベッカー(ドイツ)と対戦し逆転で勝利するも準々決勝から毎試合、右臀部のマッサージを受けながら試合を行う錦織の体は悲鳴をあげたいた。
初の2週連続優勝に期待がかかり、日本中が注目した決勝は、大会初優勝時に対戦した
M・ラオニチ(カナダ)。全米オープンに続き今季4度目、通算5度目の対戦となった。
両者、全米オープン4回戦での死闘が思い出されるなか、この日も激戦となり各セットを終えるたびにマッサージを受けながら戦う錦織が2時間13分の試合を制し、キャリア初の2週連続優勝を果たした。
敗れたラオニチは、惜しくも大会3年連続準優勝という結果となった。
勝利した瞬間コートに倒れこみ、そしれ嬉し涙を流した錦織は勝利後のオンコートインタビューで「正直信じられないです。辛い中でも日本でやれる楽しさと、皆さんの後押しがあったので体力が一番きつかったですけど、限界を乗り越えて戦うことが出来たのも皆さんのおかげだと思います。」
「1日だけこの喜びをかみしめて、またすぐ上海に行かなければいけないのでツアーファイナルに向けて頑張ります。」とコメントした。
優勝したことによりアジア人男子初の6位を記録し、ツアー・ファイナルズ出場が次の目標となった錦織は初出場へ向け着実に前進していった。
【錦織圭 2014年9月 戦歴】
<マレーシア・オープン>
・1戦目 免除
・2回戦 勝利 R・ラム 6-2, 6-3
・準々決勝 勝利 M・マトセビッチ 6-3, 6-0
・準決勝 勝利 J・ニエミネン 6-3, 4-6, 6-2
・決勝 勝利 J・ベネトー 7-6 (7-5), 4-6, 6-4
<楽天ジャパン・オープン>
・1戦目 勝利 I・ドディグ 6-3, 6-4
・2回戦 勝利 D・ヤング 6-4, 7-6 (7-4)
・準々決勝 勝利 J・シャーディ 6-4, 6-2
・準決勝 勝利 B・ベッカー 4-6, 6-0, 7-6 (7-2)
・決勝 勝利 M・ラオニチ 7-6 (7-5), 4-6, 6-4
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