男女共同開催のチャイナ・オープン(中国/北京、ハード)で、19日に引退表明した
N・リー(中国)の引退セレモニーが行われ、多くのファンやかつてのツアー仲間が集まり、男子大会に出場中の
R・ナダル(スペイン)から花束の贈呈も行われ涙に暮れるリーだった。
会場は涙、涙だった。現役中も苦しめられていた膝の怪我の悪化から引退を決意したリーは、多くの温かいさよならを受け止めていた。
黒のパンツスーツに身を包み、長い黒髪を後ろに束ねた姿で会場へ現れたリーは、盛大な拍手喝采を浴びた。観客席には大きな垂れ幕が掲げられ、英語で''Yes, This is Li Na's Motherland--China.''(イエス、ここがリー・ナの母国、中国)と書かれていた。
40人を越える選手達がコートに現れ、スタジアムの大型スクリーンにはこれまでの彼女のテニス人生のハイライトが写し出され、テニス関係者からのさよならの言葉が送られ、選手を代表して今年のウィンブルドン・チャンピオンである
P・クヴィトバ(チェコ共和国)がマイクを握った。
「今夜一番言いたいのはありがとうの言葉です。私達の対戦相手になってくれてありがとう。私達へ多くの刺激を与えてくれてありがとう。そして私達の友達になってくれてありがとう。偉大なるチャンピオンのあなたがいなくなってしまう事を寂しく思うでしょう。」と涙ながらに語り、リーと抱擁を交わした。
そして女子プロテニス協会会長のステイシー・アラスターさんも、今後のリーの健康を願いつつ「あなたの美しい笑顔、そしてその素晴らしい人間性が見られなくなってしまう事を寂しく思います。あなたは真のチャンピオンでパイオニアでした。多くの人達に多大な影響を与えました。そしてあなたは、今世紀の女子テニス界に最も多くの影響を与え、成長させてくれた選手なのです。」と感謝の気持ちを表していた。
そしてセレモニーの終わりが近付いた時、更なるサプライズが。花束を持ったナダルが会場へ登場し、その横には長年コーチを務めたリーのご主人であるシャン・ジアン氏も一緒だった。全豪オープンの時の試合後のオンコート・インタビューでリーは、ジアン氏についてのジョークを交えていた事も記憶に新しい。
しかしこの日はそんなジョークはなく、最後にリーは会場を一周し涙が止めどなく流れ落ちる中、手を振りさよならを伝えていた。
会場から一斉に「リー・ナ、アイ・ラブ・ユー」と声をかけられると、やっと彼女の顔に笑顔が戻った。
■関連記事■ ・引退のリー「必ず終わりがある」・リー「最も誇りに思える事」・リー「最高の事を成し遂げた」・31歳リーが3度目の正直で初優勝・31歳リーがアジア勢史上最高位
■関連動画■ ・今季大躍進を果たしたワウリンカ・トップ選手が格の違いを見せつける