テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)は26日、男子シングルス1回戦に第9シードの
錦織圭(日本)が登場したが、世界ランク59位の
M・クリザン(スロバキア)を前に6-7 (4-7), 1-6, 2-6のストレートで敗れ、心配された怪我の影響か本来のプレーは見られなく、同大会初の初戦敗退となった。
昨年の同大会では、日本人男子として75年ぶりとなる4回戦進出を果たした錦織は、今大会前には日本人男子として初めてトップ10入りに成功して臨んだ大会だった。
しかし、その好調なクレーシーズン中に負ってしまった怪我のために、大会直前まで拠点を置いているアメリカはフロリダへ一時戻り治療に専念していた。その怪我について聞かれた錦織は試合前、100パーセントまでは回復してはいない事を明かしていた。
「本当に残念。」と試合後に語る錦織は、1989年にこの大会を制した
M・チャン(アメリカ)氏からコーチとして指導を受けている。「これまであまり練習も出来なかった。だからこの結果も想定してはいた。ここまでヨーロッパのクレーでは良いプレーが出来ていただけに、初戦敗退はとても悲しい。」
今月11日に行われたマドリッドでのマスターズ1000大会決勝戦では世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)に対して序盤は試合の主導権を握るプレーを見せてはいたが、怪我が悪化し途中棄権を余儀なくされて惜しくも準優勝に終わっており、その前に行われたバルセロナ・オープンに続く2大会連続優勝とは行かなかった。
《錦織、準優勝の記事はこちら》「今日はマドリッド大会以来初めてポイントをかけたプレーだった。だからリズムが取れなかった。そしてサーブ。今日まで100パーセントのサーブを一度も打っていなかった。」と、この試合へ入る前の状態を説明していた。
錦織はこれまでも何度か怪我に苦しめられていた。2009年には右肘の手術を受け、2012年は腹筋の怪我から同大会の欠場を余儀なくされていた。
「とても厳しい状況だが、これが自分のテニス人生なんだと思う。自分の体をしっかりケアーしても、また怪我が起きてしまう。だからそれに負けないように精神的な準備が必要。より健康になるために、出来る事は全てして行くつもり。」と錦織は、しっかり現実を受け止めていた。
勝ったクリザンはこれが自身2度目となるトップ10選手からの勝利となった。
「彼(錦織)がサーブの時に何度か腰のあたりを気にして触っていたのを見ていた。」と、錦織が万全ではない事に気付いていたクリザンは、2006年の全仏オープン・ジュニアのチャンピオンだった。「ラリーの中で彼はとても安定したプレーをしていた。」と、同世代の錦織のプレーを賞賛もしていた。
3年連続の2回戦進出を決めたクリザンは、自身初となる3回戦進出を懸けて
N・ダビデンコ(ロシア)を7-5, 6-4, 6-2のストレートで倒した
R・ハーセ(オランダ)と2回戦で対戦する。
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