女子テニスで世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)が、今シーズンを世界1位で終了する事が決まるも、自分はまだ史上最高の選手ではないと自身について語った。
先週の木曜日に32歳の誕生日を迎えたセリーナは、今季この大会まで67勝4敗と他を圧倒する成績を収め、全仏オープンと全米オープンを含む自己最高となる9大会で優勝を飾ると同時に、910万ドル(約9億1,000万円)の賞金を獲得している。
今年2月に行われたドーハ大会での準優勝後には、2009年以来となる世界ランク1位への返り咲きに成功。その時31歳だったセリーナは、コンピューター・ランキング・システムが始まった1975年以降最年長での世界1位の選手となっていた。
現在、中国の北京で行われているチャイナ・オープン女子に第1シードで出場しているセリーナは、先週金曜日の記者会見で年末の1位の座が確実になった事を聞かれたものの、自分は史上最高の選手ではないと答えていた。
「私は最高の選手ではない。まだ現役を続けているし、記録に挑戦しているところ。
S・グラフ(ドイツ)や
C・エバート(アメリカ)、
M・ナブラチロワ(アメリカ)、
M・コート(オーストラリア)のような選手が最高の選手だと思う。」
「多分、トップ5には入るかもしれない。でも、絶対に1番ではない。自分としては、その素晴らしい選手達のリストに名前を入れてもらえるだけでも光栄な事。」と謙虚に語るセリーナは、年間獲得賞金も自身初となる900万ドルを超え、生涯獲得賞金も5,000万ドル(約50億円)を突破した。
現地日曜日に行われたチャイナ・オープン女子1回戦で、セリーナは
E・ヴェスニナ(ロシア)を6-4, 6-2のストレートで下し、幸先の良いスタートを切った。
試合後にセリーナは「目標を持っていたいと強く思うし、常に目標は持っている。自分が世界1位だろうと10位だろうと、対戦相手はいつもレベルを上げて向かってくる。でも、それは良い事。毎年自分のプレーを向上させられている1つの理由でもあると思うから。」
「それに先を見ないようにしてる。常に目の前の試合だけを考えている。だから、次の対戦相手が誰であろうとも、その選手を警戒している。だって、勝つかもしれないけど、負けるかもしれないからね。そういう思いで、いつも試合に臨んでいるわ。」
そして、再び史上最高の選手について問われると「プロとしてキャリアを始めた時は、最高の選手は誰かという話題に自分の名前があがるなんて考えてもいなかった。」
「もちろん、世界1位になりたいと思って戦ってきたけど、そんな事はほとんど考えていなかった。ただ、その瞬間をエンジョイしようとしていただけ。」と、自身のテニス人生を振り返っていた。
続けて「グランドスラムで優勝するたびに、同時に楽しんでもいた。どうしてこんなに勝てるかっていうと、そんなにプレッシャーを自分自身にかけないでいるからだと思う。でも、もっと勝てるようにベストは尽くす。ただただベストを尽くすのみ。」と、どの試合にも本気で臨もうとしている事を明かした。
現地火曜日に行われた2回戦でも主催者推薦の
F・スキアボーネ(イタリア)を6-4, 7-5のストレートで下したセリーナは、来月行われるツアー最終戦のBNPパリバWTAチャンピオンシップスの大会期間中に、今シーズンを世界ランク1位で終える事を称えるトロフィーの授与式が催される。
これでセリーナは、2002・2009年のシーズンに続いて、世界1位でシーズンを終える3度目のシーズンとなった。
これまで17度のグランドスラム優勝を含むキャリア55度のツアー優勝を誇るセリーナ。この成績もまだまだ更新して、世界のトップの座をどこまで維持するかに注目が集まる。
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