男子テニス界期待の若手である22歳の
G・ディミトロフ(ブルガリア)。テニス界の妖精と言われる
M・シャラポワ(ロシア)とのホットな交際が明らかになって、オンコート以外でも話題のディミトロフが、テニスやプライベートについてインタビューに答えていた。
Q:そのプレースタイルから“ベビー・フェデラー”と言うニックネームを付けられた事は、ある種の重荷になっている?
ディミトロフ:もう何と言っていいか分からないよ。何年もそう言われて来たんだ。それを払拭するにはどうしたら良いんだろう。最初はそう言われている事に冷静だったって言っておこう。17歳とか18歳の時には“まったく、俺は物じゃないんだ”って思っていた。もちろん、フェデラーの事は尊敬しているし、自分のプレーが彼のプレーに似ている部分があるのも認めるよ。でももう今は、自分が成りたいような人間に成って来たし、自分自身を見て欲しい。フェデラーと比べられるような事は、そろそろ終わって欲しいね。
Q:練習拠点をフランスにあるパトリック・ムラトグルー・アカデミーからスウェーデンにあるマグナス・ノーマン&ミカエル・ティルストロムズ・アカデミーへ移した事については?
ディミトロフ:オフシーズンはとてもタフなものだった。アカデミーのあるストックホルムで5週間過ごしたんだ。天気も酷かった。3・4日は日差しもなかった。そんな中での激しいトレーニング。一年の終わりに、本当に激しいフィットネス・トレーニングをしたんだ。でもその成果が出ているよ。体はかなり強くなった。以前のように、あちこち痛い所がなくなった。体格の大きな選手との試合でも、辛抱強く試合が出来るようになったんだ。だから、アカデミーを変えた事には肯定的に受け止めているよ。
Q:かつては試合中に痙攣に苦しめられる事が多かったが、それは乗り越えられた?
ディミトロフ:そうだね。今はそれに対していくつかの事をやっているんだ。詳しくは言えないけどね。どうしてあんなにすぐに痙攣を起こしていたか分からないから、これからもそれを解明するために検査なども受けるつもりさ。試合に勝って次の日も試合があって、戦いたいって思っても足がそれを許してくれなかったんだ。良くみんなに足が細すぎるって言われるよ。でも、どうやっても太くならないんだ。120キロの重りを抱えてスクワットもやっているけど、全然太くならないのさ。
Q:自分自身に集中したいから放っておいて欲しいって言っていたけど、M・シャラポワと交際を始めてまたスポットライトを浴びているが?
ディミトロフ:何て言ったら良いかな。自分が選んだ道だけど、それは明らかに隠せない事だね。その質問には感謝するけど、最も大切な事は、自分が何をしているかって言う事なんだ。それ以外は全く持ってプライベートな事だから答えたくないよ。もちろん、色んな質問があると思うし、みんなそれを聞いて来るけど、自分に取って一番大切な事は、自分がコートで何をしているかと言う事。だって、それが自分が今やっている事だし、それが自分の情熱なんだ。
Q:マドリッド大会で
N・ジョコビッチ(セルビア)を下して、モンテカルロでは
R・ナダル(スペイン)を崖っぷちまで追い込んだけど、どんどん結果が出て来ていると感じている?
ディミトロフ:あとちょっと。あとちょっとだね。マドリッド大会は最高の一週間だった。あの試合が自分や周りの人間が待ち望んでいた物だった。自分に取って特別な瞬間だった。あの一週間から多くの事を学んだよ。良い成果を得られた旅のようだった。それでもまだまだやらなければならない事がたくさんある。自分のテニスでもっと向上させたい部分があるんだ。テニスだけじゃない。練習についてもそうだし、試合に向けての準備だったり、もろもろね。
Q:今の最大の夢は?
ディミトロフ:もちろん、グランドスラムが一番だね。そう言い続けているけど、テニス選手としては誰もが目標に思っている大会なんだ。トップ10入りしたり、トップ10に居続ける事や世界のトップ選手の仲間入りをする事も素晴らしい事さ。でも、グランドスラムでの優勝はまた別のレベルだし、別の経験なんだ。断然、それが大きな目標の1つさ。これまでもグランドスラムでは良い結果を出せていないから、好成績をまずは残したい。大会へ向けて正しい道や正しい練習などを見付ける必要があるけど、今は何をしなければならなくて、より良く物事を扱うか分かって来ているんだ。
先週まで行われていたウィンブルドンでは2回戦で
G・ゼミヤ(スロベニア)に大接戦の末に敗退していたディミトロフ。これまで出場したグランドスラムでは、5月に行われた全仏オープンでの3回戦進出が最高成績と、全仏オープン直前に自己最高位の26位を記録し、シード選手として臨んだ2度のグランドスラムでも2週目に残る成績を出せずにいる。
今週行われている男子テニスツアーのスウェーデン・オープンでも苦しみながらもベスト8入りを果たしているディミトロフ。最大の目標であるグランドスラムでの好成績へ向けて、更なる成長に期待がかかる。
(翻訳・記事/弓削忠則)
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