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女子テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)は2日、シングルス準々決勝全4試合が行われ、第20シードのK・フリッペンス(ベルギー)が2011年の今大会のチャンピオンで第8シードのP・クヴィトバ(チェコ共和国)を4-6, 6-3, 6-4の逆手で下し、自身初のグランドスラムでの4強入りを果たした。
27歳のフリッペンスは、長い間トップ100入りがやっと出来るくらいの選手だった。そして昨年は怪我で数ヶ月のツアー離脱を余儀なくされ、祖国のテニス協会からも見放され、262位までランキングを下げていた。昨年のこの時期は、予選にすら出場出来ないランキングにいたフリッペンスがこの日も快進撃を見せた。
「協会からのサポートも失って、多くの人からも信じてもらえなくなっていたの。でも全てが好転してからは、みんな友達のような振る舞いをして来たわ。でも誰が本当の友達なのかは辛い時期に学んでいたの。こうして戦い続けて、そんな人達が間違っていた事を証明したいの。」と、苦しい時をバネにしている自分がいる事を明かしたフリッペンス。
去年の夏はツアー下部大会で活躍しランキングを徐々に上昇させた彼女は、昨年終盤のケベック大会で自身初のWTAツアーでの優勝を飾り、ランキングもトップ50入り目前でシーズンを終えた。そして今季最初のグランドスラムである全豪オープンでは自身初となる4回戦進出。全仏オープンの2回戦進出でトップ20入りに成功し、ウィンブルドンの前哨戦で準優勝を飾って今大会へと乗り込んでいた。
「今日も何とか勝利を上げられたって言う実感はまだないの。今日、すごい事を達成したって言う実感がね。去年の今頃は、予選にさえ出れなかった。262位だったからね。でも今日はグランドスラムのベスト4入りをしたのよ。夢ね。いや夢以上が現実になったの。言葉がないわ。」と自分の身に起きた事を受け入れられずにいた。
どん底から這い上がれた要因を聞かれたフリッペンスは「テニスへの愛。これまでのテニス人生で、多くのアップダウンを経験して、多くの怪我も経験したわ。ジュニアチャンピオンになった翌年には腰の怪我に泣かされたの。そんな怪我を負っては、テニス選手としての人生は終わりだってどの医者からも言われたわ。でも私はそれで折れてしまう人間じゃなかった。いつも戦い続けたの。そして、去年も戦い続けようと決心した事は間違いじゃなかったわ。」と、力強く語っていた。
「自分の人生でこんな事が起きるとは思ってもいなかった。今年の全豪オープンで素晴らしいプレーが出来て何とか4回戦進出を果たせていたの。でも今は、シーズンで最高の大会で、グランドスラムで準決勝進出よ。言葉がないわ。こんなに勝ち上がれるなんて全く予想していなかった。」と、フリッペンスは自分の身に起きている事が信じられないようだった。
決勝進出を懸けてフリッペンスは第17シードのS・スティーブンス(アメリカ)を6-4, 7-5で下した第15シードのM・バルトリ(フランス)と準決勝を行う。
《ウィンブルドン 男女対戦表》
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この日行われた試合は以下の通り。
○S・リシキ(ドイツ)(23) vs. ●K・カネピ(エストニア), 6-3, 6-3
○A・ラドワンスカ(ポーランド)(4) vs. ●N・リー(中国)(6), 7-6, 4-6, 6-2
●P・クヴィトバ(8) vs. ○K・フリッペンス(20), 6-4, 3-6, 4-6
○M・バルトリ(15) vs. ●S・スティーブンス(17), 6-4, 7-5
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