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女子テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会10日目の23日、第3シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)と第29シードのS・スティーブンス(アメリカ)の準々決勝は、19歳のスティーブンスが3-6, 7-5, 6-4の逆転でセリーナを下す番狂わせを起こした。
【セリーナ vs スティーブンス】
これまで今大会でセリーナは、3回戦の森田あゆみ(日本)に1度しか自身のサービスゲームをブレークされていなかったが、この日はスティーブンスに5度のブレークを許すなど、これまでの試合とは何かが違っていた。
今季開幕戦のブリスベン大会準々決勝で対戦していた両者、その時はセリーナがストレートでスティーブンスを下していたが、この日の試合前にスティーブンスは、セリーナに対しておじけづかず、全力でぶつかっていくと語っており、実際その通りのプレーを披露した。
スティーブンスは「セリーナという世界でも最高のファイターの一人と対戦していたの。彼女がラケットを叩きつけたのかもしれないけど、それでも彼女はしっかりと戦ってきた。でもそれで“OK、これからもっとハードに戦わなければならないわ。だって、彼女に火がついたから”って思えたの。」と試合中に、さらに気持ちを高めていた事を明かした。
セリーナ相手に積極的にネットへ詰めて、18回ネット際でポイントを獲得する事に成功したスティーブンスは「確実に上達していると思う。昨年は全てが新しいもので、何もかもが新しい経験だった。ブリスベンでは彼女と初めて対戦したけど、とてもタフな相手だと感じたの。最初の対戦では何をしても用心しなければならなかった。でも、今回はしっかり準備も出来ていたの。」と、自身のテニス自体が向上している実感を持ちつつ、セリーナとの対戦へ心構えも出来ていた。
一方、セリーナは「終わってちょっとホッとしているの。だって、やらなければならない事がたくさんあったから。でも、ちょっと難しいわね。この2週間は本当にたくさんのボールを打っていたから。」と、この大会が終わってしまった今の気持ちを語っていた。
セリーナは1回戦の試合中に右足首を捻挫し、2回戦ではラケットが顔に当たり唇を切るアクシデントに見舞われており、加えて数日前から腰に違和感も感じていた。そして、この日の第2セット途中では、ネット際のボールを拾うためにダッシュしてボールを追いかけ、止まった時に腰をさらに痛めてしまい、トレーナーを呼び、手当てを受ける災難に見舞わた。
「叫び声をあげそうになったわ。腰が固まってしまった感じなの。痛みも出てしまった。でも、起きてしまった事は仕方ないって思うようにしていたの。」とセリーナは、腰を痛めてしまった時の事を振り返っていた。
またセリーナは「今日の自分のレベルは高いものではなかった。何本のミスを犯した事か。これまで、この大会中に犯したミスの数以上に、今日の試合の1セット中にミスを犯してしまったんじゃない?彼女のレベルは高かった。でも自分サイドの問題ね。見ていた皆がわかると思うけど、ここ数ヶ月で今日の試合は明らかにベストのプレーではなかったわ。」と、自分自身のプレーの不甲斐無さを語っていた。
加えて「彼女は良いテニスをしていたわ。とても良い選手だし、動きも早くどんなボールでも返球してくる。それは、テニス人生にとてもプラスになる事ね。」と、スティーブンスのプレーを称賛していた。
セリーナは今大会で決勝進出を果たすと、他の選手の成績に関わらず世界ランク1位が確実になるところだった。これで全豪オープン明けのランキングでの1位の座は、V・アザレンカ(ベラルーシ)とM・シャラポワ(ロシア)の結果次第となった。
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(翻訳・記事/弓削忠則)
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