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男子テニスのマスターズ・シリーズであるBNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、賞金総額242万7975ユーロ、インドアハード)は1日、シングルス3回戦全7試合が行われ、第3シードのA・マレー(英国)が前日の第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)に続いて敗退する波乱に見舞われた。その波乱の立役者は予選を勝ち上がったJ・ヤノヴィッツ(ポーランド)で、マレーを5-7, 7-6 (7-4), 6-2の逆転で下した。
世界ランク69位のヤノヴィッツは、今季221位でスタートした21歳。今年のウィンブルドンでグランドスラムの本戦デビューを飾り3回戦進出を果たした。先々週のモスクワ大会では自身初となるATPツアーでの準々決勝進出、直後の世界ランクでは自己最高位の64位を記録していた。
ヤノヴィッツは今季の快進撃の要因をこう語っていた。
「今季の序盤で変化があった。まずはラケットを変えたこと。今使っているラケットは、とても助けになっている。結果を残せなかった週もあったけど、それでもこのラケットが好転させてくれた。次に新しいフィットネス・トレーナーを迎えたんだ。彼の助けで良いトレーニングもたくさんできているし、実家にいる時はテニスをする時間よりトレーニングする時間の方が多くなった。」
加えて「コートでの姿勢も変えた。諦めずにプレーを続け、目の前のボールだけに集中するようにしたんだ。」と、ヤノヴィッツ。
203cmのヤノヴィッツは、両親ともバレーボールのプロ選手だったが、父が現役を引退後に始めたテニスをヤノヴィッツは子供の頃に一緒に始め、その才能を発揮し始めプロの道を選んでいた。
第2セット、ゲームカウント5-4とリードしていたマレーは、自身のサービング・フォー・ザ・マッチでマッチポイントを握りながらもブレークされると、そこからリズムを崩してしまった。
「もっと自分のサーブに集中するべきだった。それまではしっかりできていたんだ。サービング・フォー・ザ・マッチの時にそれができなかった。そこから彼(ヤノヴィッツ)は自信をつけて、タイブレークも攻撃的なプレーをしてきた。ハードヒットしたショットがどんどん入り始めたんだ。」とマレーは、試合の展開が変わってしまった瞬間を振り返っていた。
ヤノヴィッツは準々決勝で、第8シードのJ・ティプサレビッチ(セルビア)と対戦する。この日ティプサレビッチは、第9シードのJ・モナコ(アルゼンチン)を6-3, 3-6, 6-3で下しての勝ち上がり。
来週イギリスはロンドンで開催されるツアー最終戦への残る2枚の切符を争っていたティプサレビッチは、この日の勝利で2年連続となる出場権を獲得することとなった。
「昨年の最終戦は自分のテニス人生でも最も素晴らしい経験の1つだった。プロになってからずっと最終戦への出場を夢に見てきた。その舞台へこうして今年も出場できることに興奮している。」とティプサレビッチは、喜びを語っていた。
その最終戦は今季獲得ポイントの上位8選手しか出場できない大会。しかし今季獲得ポイントのポイントレースの4位にいたR・ナダル(スペイン)が膝の怪我を理由に欠場を表明したため、同レース9位のティプサレビッチまでが出場することとなった。
この日行われた試合結果は以下の通り。
J・ヤノヴィッツ ○-× A・マレー (3), 5-7, 7-6 (7-4), 6-2
D・フェレール(スペイン) (4) ○-× S・ワウリンカ(スイス) (16), 6-2, 4-6, 6-2
T・ベルディフ(チェコ共和国) (5) ○-× K・アンダーソン(南アフリカ), 1-6, 6-3, 6-4
JW・ツォンガ(フランス) (6) ○-× N・アルマグロ(スペイン) (11), 7-6 (7-4), 7-6 (7-3)
M・ロドラ(フランス) ○-× J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン) (7), 6-4, 6-3
J・ティプサレビッチ (8) ○-× J・モナコ (9), 6-3, 3-6, 6-3
S・クエリー(アメリカ) ○-× M・ラオニチ(カナダ) (14), 6-3, 7-6 (7-1)
G・シモン(フランス) ○-× 錦織圭(日本) (15), (不戦勝)
今大会の優勝賞金は47万9000ユーロ。
(翻訳/弓削忠則)
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