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男子テニスツアーのマスターズ大会であるBNLイタリア国際男子(イタリア/ローマ、賞金総額275万ユーロ、クレー)は15日、シングルス決勝が行われ、第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)が第1シードのR・ナダル(スペイン)に6-4, 6-4のストレートで勝利、今季7個目のタイトルと優勝賞金43万8000ユーロを手にするとともに、今季開幕から続く連勝記録を37に伸ばした。
開幕37連勝は、1984年にJ・マッケンロー(アメリカ)が記録した42連勝に続く歴代2位の記録となる。また昨年末のデビスカップから数えると39連勝となるジョコビッチは、オープン化以降で歴代6位の連勝記録保持者となった。
「R・フェデラー(スイス)、ナダル、マッケンローにI・レンドル(アメリカ)といった、連勝記録を持つ偉大な選手たちと共に、テニスの歴史に名を刻むなんて信じられない名誉です。」とジョコビッチ。「この記録がテニス界にどういう影響をもたらすかは分かりませんが、フェデラーでもナダルでもない誰かが勝つことは良いことだと思います。より面白くなるでしょう。」
世界ランク2位のジョコビッチは、決勝でナダルに4連勝となっただけでなく、1シーズンでナダルからクレーコートで2勝目を挙げた初めての選手となった。
「今年のクレーコートでのプレーが最も喜ばしいことです。ボールを打ち抜くことも、自信を積み重ねることもです。トップ選手でも勝てることは分かっていましたが、今ではその自信に溢れています。」
今季すでに4度もジョコビッチに決勝で阻まれた上に、世界ランク1位の座も脅かされているナダルは「彼は信じられないことをしています。全ての試合において、彼は精神的にも肉体的にもとてもタフです。自分に出来ることは全てしていますし、今はこれ以上は出せません。自分も良いプレーをしていますが、一人だけ上を行っています。毎週のように解決策を探しています。」と、ジョコビッチの強さに舌を巻いた。
しかしナダルは、ジョコビッチが永遠に勝ち続けることは「不可能」とし、「自分が勝つ時が来るまで待つ必要がありますし、そのことは分かっています。」と、リベンジのチャンスを狙っていることを語っている。
今大会でナダルは、過去6年間で5度の優勝を飾っており、大会通算31勝1敗という戦績で決勝に臨んでいた。唯一の敗戦は2008年のことで、そのときはJ・C・フェレーロ(スペイン)に2回戦で敗れていた。
マドリッド・マスターズでナダルからクレーコートで初勝利を挙げていたジョコビッチは、そのときは球足の速い環境が勝利の手助けとなったことを認めているが、今大会はより全仏オープンに近いコンディションで行われており、この日の勝利は大きな意味を持っている。
「どんな状況であれ、僕はコート内に踏み込み、チャンスを生かすプレーをする必要がありました。それがクレーコートでナダルに対抗する、唯一の作戦です。」
またジョコビッチは、前日の深夜近くまで準決勝のダメージからも回復しなければならなかった。A・マレー(英国)をフルセットで破っていたジョコビッチは、深夜まで記者会見に臨んでおり、その体調が心配されていたが、この日は降雨により試合開始が遅れていた。
「何でも可能なんです。それが説明です。」とジョコビッチ。「回復できると信じれば、チームとともに良い仕事をして、目標に向かって集中し、身体も準備が出来ているものです。僕たちは素晴らしい仕事をしましたし、今日は全力でプレーすることが出来ました。」
この日の試合は、開始が遅れたにも関わらず1万を超える観客が試合を見届けたていた。また、イタリアがスペインとセルビアの中間に位置しているせいか、両者へは等しい声援が送られた。
この日の試合でナダルは、山なりのスピンボールを多用して返球に努めていた。対するジョコビッチは、しばしばそのボールをアウトするなどしていた。
またジョコビッチはコートの内側に積極的に踏み込み強打で応戦、ナダルはベースラインの後方に釘付けとなっていた。
「今日のプレーには満足しています。ボールも良い感触で打てていましたが、常に彼が優位だったように感じました。」とナダル。「先週よりも積極的なプレーをしましたし、マドリッドのようにディフェンシブなプレーではありませんでした。」
第2セット途中でナダルは、突然ムーンボールのようなボールを打ち始めていた。
「確かに、ある場面ではムーンボールを試していました。マドリッドでは負けましたから、今日は違ったことを試してみました。次はもっと試したいことがあります。」とナダルは戦術について語った。
第2セット序盤ではお互いにブレークしあった後は、両者ともに1歩も譲らない展開となったが、ジョコビッチは試合が終盤に近づくにつれてポイント毎に声を出し、自分を奮い立たせていた。
そして第2セット第10ゲーム、ジョコビッチがこの試合4度目となるブレークに成功しゲームセット、2時間12分で勝利を決めた瞬間、コートに背中から倒れこみ喜びを全身で表現すると、表彰式のあとにはシャンパンで勝利を祝った。
「これから4日間はラケットに触ることは無いでしょう。休養はとても大切ですし、それから全仏オープンへの準備をします。」と、ジョコビッチは今後の予定について語っている。
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