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テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、クレー)は大会15日目の6日、男子シングルス決勝が行われ、第2シードのR・ナダル(スペイン)が第5シードのR・ソデルリング(スウェーデン)を6-4, 6-2, 6-4のストレートで破り、今大会通算5度目となる優勝を果たし、優勝賞金112万ユーロを手に入れた。
表彰セレモニーでナダルは「僕のキャリアで最も感動的な日です。」と勝利の喜びをフランス語で語った。
昨年のナダルは大会4連覇中のディフェンディング・チャンピオンとして今大会に臨んでいたが、4回戦でソデルリングに敗れると、膝の負傷のために1ヶ月の休養を強いられただけでなく、世界ランク1位の座もR・フェデラー(スイス)に明け渡していた。
またナダルは、2009年の全豪オープン以来となる通算7度目のグランドスラムでのタイトル獲得となり、今大会で6勝しているB・ボルグ(スウェーデン)に続く史上2人目となる、今大会で5回以上の優勝を果たしたこととなる。
世界ランク2位として決勝の舞台に戻ってきたナダルは、コートの隅々までをカバーする自慢の守備力を存分に発揮した。自らのサービスゲームでは8本のブレークピンチ全てを切り抜けてキープを続け、リターンゲームではソデルリングにプレッシャーをかけ続けた。
今大会での通算成績を38勝1敗としたナダルは表彰式で「君に対して最高のテニスが出来たよ。もしそうしなければ、君に勝つことは不可能だよ。」と、1年前に苦杯を舐めさせられたソデルリングのプレーに賛辞を送った。
対してソデルリングは「本当に驚かされるばかりだ。もし君がそのプレーを続けるなら、もっともっと優勝するチャンスがあるのは確かだよ。」とチャンピオンを称えた。
昨年も決勝進出を果たしていたものの、R・フェデラーの前に敗れており、これで2年連続での準優勝となったソデルリングは「この大会が大好きです。来年も戻ってきますし、3度目の正直となると嬉しいです。」と来年の活躍をセンターコートで宣言した。
マッチポイントでソデルリングのショットがネットした瞬間、ナダルは背中からコートに倒れこむと、両こぶしを天に突き上げた。そして起き上がりベンチに座り込んだ瞬間、感極まり涙を流した。
「決勝でとても難しい相手と対戦したんだ。僕らは高いレベルでプレーしていたし、とても満足している。」とナダルは決勝を振り返った。
この日のパリの気温はそれほど高くない上に雲が多く、コート上を走り回るにはうってつけの条件が揃っていた。ナダルはベースラインの後ろに陣取ると、コートの端から端までを自慢のフットワークでカバーし、重くスピンの効いたボールをソデルリングがミスするまで打ち続けた。
お互いにサービスキープを続けて迎えた第1セット第5ゲーム、ナダルはバックハンドのウィナーを決めるなどし、この試合で初めてのサービスブレークに成功すると、堅実にサービスゲームをキープして第1セットを先取する。
第2セット序盤でブレークピンチに直面したナダルであったが、ソデルリングの強打を返し続けると、最後はドロップボレーでウィナーを決めてピンチを切り抜ける。そしてナダルは、左腕と左足を同時に上げるおなじみのガッツポーズで自分を奮い立たせた。
ピンチを切り抜けて迎えた第2セット第5ゲーム、ナダルがラブゲームでブレークに成功すると、そこからナダルは3ゲーム連続でブレークに成功。第3セット序盤まで7ゲームを連取する猛攻でソデルリングを突き放した。
今季のクレーコートシーズンでは、22戦全勝と完璧な戦績を残したナダルはすでに、昨年にディフェンディング・チャンピオンとして出場するはずだったウィンブルドンに照準を合わせている。
またナダルは今大会の7試合全てをストレート勝ちする快挙を達成している。今大会で1セットを失わずに優勝したのは、男子ツアー史上、ナダルのほかにはボルグとI・ナスターゼの2人のみが達成している。
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