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USオープンテニス大会第15日目の8日、男子シングルス決勝が行われ、第2シードのR・フェデラー(スイス)が、第6シードのA・マレー(英国)を6-2, 7-5, 6-2のストレートで破り、オープン化史上初の大会5連覇を成し遂げた。
今季初となる、グランドスラム優勝を果たしたフェデラーは、これでグランドスラム通算13勝目となり、P・サンプラス(アメリカ)が持つ、歴代最多勝記録の14にあと1勝に迫った。
7度のサービスブレークに成功し、今大会の連勝記録を34に伸ばし、サンプラスとJ・コナーズ(アメリカ)に並ぶ、大会5勝目を挙げたフェデラーは、「とても嬉しい。自分のキャリアでも間違いなく特別な瞬間だ。今年はタフなグランドスラムがあった、だからこの勝利は信じられない。かけがえのないものです。」と、喜びを語った。
またフェデラーは、2つのグランドスラム大会で5連覇を達成した最初の選手にもなった。昨年にウィンブルドン5連覇を達成していたフェデラーは、今年は6連覇達成の期待がかかっていたものの、決勝でR・ナダル(スペイン)に歴史に残るフルセットマッチの末に敗れていた。
2004年の全豪オープン以来に、第1シードとしてはなく今大会に出場していたフェデラーは、第3セットで3度のブレークに成功し試合に勝利した。最後のブレークポイントは、チャンピオンシップ・ポイントとして第8ゲームに訪れ、フェデラーのオーバーヘッドスマッシュを返そうとした、マレーのショットがネットにかかり、試合終了となった。
21歳のマレーは、準決勝で第1シードのナダルを下し、1997年のG・ルゼッドスキ(英国)以来、オープン化以降2人目の英国人として全米オープン決勝の舞台に登場したが、1936年のF・ペリー以来となる優勝はならなかった。しかし、表彰式でのインタビューでマレーは、「素晴らしい大会だったけど、今日は史上最高の選手と対戦することになってしまった。」と、勝者を称えた。
今年最後のグランドスラムまで、ハードコートでのタイトル獲得がなかったフェデラーだが、今季は賞賛に値する成績を残してきた。全豪オープン準決勝でN・ジョコビッチ(セルビア)に敗れた後、全仏とウィンブルドンの両大会で決勝に進出、またこの全米オープン直前の北京五輪では、S・ワウリンカ(スイス)とのダブルスで金メダルを獲得している。
この日の試合でフェデラーは、序盤から自信に満ちたプレーを見せ、世界で最も美しいと言われるフォアハンドとフットワークで、マレーのサービスをブレークし4-2とリードすると、その勢いは衰えずわずか27分で第1セットを先取した。
対するマレーは、今大会の3回戦でJ・メルツァー(オーストリア)を相手に、2セットダウンからの逆転勝利を演じていたが、1992年のS・エドバーグ(スウェーデン)以来、誰も第1セットダウンから決勝で勝利したものはいない。
第2セットに入ってもフェデラーの勢いは衰えず、第1セットから連続6ゲーム連取し、2-0とリードするが、第3ゲームでマレーがブレークバックに成功、続くサービスゲームもキープして2-2とゲームカウントが並んだ。続く第5ゲームで、マレーはトリプルブレークポイントを得るが、ミスジャッジの助けもありフェデラーがキープに成功する。
両者サービスキープで迎えた第12ゲームのマレーのサービスゲームで、フェデラーがトリプルセットポイントを得ると、ダウンザラインにウィナーを決め、2セットアップとした。
第3セットでもフェデラーは攻め続け、一気にゲームカウント4-0とリードする。続く第5ゲーム、観客の声援に応え、マレーがサービスキープに成功すると、第6ゲームでは、マレーがブレークバックに成功し、観客の興奮は最高潮に達した。しかし、その後もフェデラーはプレッシャーをかけ続け、最初のチャンピオンシップ・ポイントは逃したものの、2本目では数本のスマッシュの末に、今年最後のビッグタイトルと優勝賞金150万ドルを手に入れた。
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