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サーブ・アンド・ボレーを武器にウィンブルドンで活躍し、長年に渡って英国テニス界のエースとして第一線で戦ってきたT・ヘンマン(英国)が今年、惜しまれつつも33歳で現役生活に終止符を打った。
現役最後の試合となった9月のデビスカップ・プレーオフ、対クロアチア戦では単複で勝利し、英国のワールドグループ復帰に貢献。自らの花道を華々しく飾った。
昨年から英国トップの座をA・マレー(英国)に明け渡していたヘンマンは、USオープン直前の8月23日に引退を表明。引退の理由として、長引く腰や足の怪我の状況に加え、第三子の誕生も控え、家庭生活を優先することを挙げた。
1993年にツアーデビューしたヘンマンは、14年間で28回のツアー決勝進出を果たし、そのうち11勝を達成。自己最高世界ランキングは4位で、トップ10に5年間、20位内に8年間以上も入るなど、名実ともにトップ選手と認められるに十分な成績を残した。
中でもヘンマンがもっとも輝いたのは地元ウィンブルドンで、1998年、1999年、2001年、2002年と4回の準決勝進出を果たした。その中でも、最も記憶に残る2001年のG・イバニセビッチ(クロアチア)との準決勝では、ヘンマンが試合の主導権を握っていたものの、名物の雨天中断によりイバニセビッチが息を吹き返し、逆転負けで決勝進出を逃した。「もしあの試合の状況を変えられるなら、雨を降らせずに試合を続行したかったね。」と、ヘンマンは笑って答えた。
今年7月の最後のウィンブルドンでは、2回戦でF・ロペス(スペイン)と対戦し、2セットダウンからファイナルセットに持ち込んだがフルセットの末敗れ去った。「テニス選手としての自分のゴールだったウィンブルドン優勝が出来ず残念だけど、自分の実力を最大限に生かすことができたテニス人生であると、こうして最後に思うことができる。常に試合に臨むときは一生懸命練習をして、全力を尽くしてプレーしていた。それが僕にできたであろう最高のことだ。」と語っている。
F・ペリー以来となる地元優勝は果たせなかったが、ヘンマンの試合を観戦するためにファンが集まったことから、第1コートの前の丘が『ヘンマン・ヒル』と呼ばれるようになるなど、人々の心に深い印象を与えたことは確かだ。
また、ヘンマンは2004年には全仏オープンとUSオープンでベスト4に進出し、サーブ&ボレーだけでないオールラウンドなプレーで、テニスファンを魅了した。プレー以外の、紳士的な態度、マナーの良さも、多くのファンの心を掴んでいた。
四大大会優勝には届かなかったが、「グランドスラムで優勝しないで引退する人はごまんといるわけで、僕もどうしたら皆に覚えていてもらえるかって、自分でもわからないね。でも、『あいつはいい選手だった、持てるものは全部出していた。』と言ってくれれば嬉しいかな。」とコメントしている。
引退直後には「朝起きて、テニスのトレーニングが無いのは何だか不思議な感覚だけど、引退した今はこれに慣れなきゃいけないんだよね。」と語っていたヘンマンだが、12月4日にはエキシビションマッチに登場。これからも、時折は試合に出場し、その華麗なサーブ&ボレーを見せてほしいものだ。
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