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（ニューヨーク州フラッシングメドウズ）

月曜日からニューヨークにあるフラッシング・メドウでスタートする今季最後のグランドスラム大会・ＵＳオープン。男子は無敵の王者Ｒ・フェデラー（スイス）が４連覇達成なるかどうかに注目が集まるが、そのフェデラーのライバルの１人に２０歳のＮ・ジョコビッチ（セルビア）の名が挙げられる。

ジョコビッチは今季北米のハードコートの大会で大活躍しており、マイアミのマスターズ・シリーズで優勝、３月のインディアン・ウェルズの大会でも準優勝、そしてモントリオールのマスターズ・シリーズでも優勝している。この間に欧州で行われた全仏・ウィンブルドンで準決勝まで進出している。

モントリオールのマスターズ・シリーズで優勝した際には、ジョコビッチはＡ・ロディック（アメリカ）、Ｒ・ナダル（スペイン）、そしてフェデラーの３強を下したが、これは１３年前にB・ベッカー（ドイツ）がストックホルムの大会で達成して以来の快挙だった。また同一の大会で世界１位のフェデラーと世界２位のナダルを下したのはジョコビッチが初めてだった。

フェデラーはウィンブルドンに続き、ＵＳオープンでも４連覇を狙っている。フェデラーはこの夏の大会ではシンシナティのマスターズ・シリーズでＪ・ブレーク（アメリカ）を下して優勝して調子を上げてきているが、ＵＳオープンのドローは厳しいもので、準々決勝ではロディックが立ちはだかる。

米国デビスカップ監督でＴＶコメンテーターのＰ・マッケンロー（アメリカ）は、決勝がフェデラー対ジョコビッチとなった場合、ジョコビッチが優勝する可能性があると話している。「フェデラーを倒す確率が最も高いのはジョコビッチ。彼はモントリオールの大会の決勝でフェデラーを下しての全米入りだからね。」と話した。「ジョコビッチは今季２度、ハードコートのマスターズでタイトルを取っており、ハードコートでナダルも倒している。かなり有望だね。」とマッケンローは話した。

「もちろんこれまでグランドスラム決勝に進出したことがないジョコビッチだから、それは簡単には行かないだろう。今回初めてプレッシャーを感じているはずだし、初めて優勝候補の１人としてみなされるだろうしね。この夏調子のよかったＬ・ヒューイット（オーストラリア）がドローの同じ山にいるから気をつけなくてはならないけど、ジョコビッチはフェデラーを倒すチャンスを持っていると思うよ。」

マッケンローはジョコビッチのオールラウンドのプレーに感心している。「ジョコビッチは素晴らしい選手。オールラウンドの才能を持っており、またフェデラーを下したときには冷静さを失っていなかった。全くパニックになっていなかったし、自身がフェデラーを倒せると信じている。きちんとした理由に基づいてフェデラーに対してこのように考えられる選手は少ない。」

マッケンローは、フェデラーの今回の優勝は厳しいものになるだろうと考えている。「フェデラーの山にはロディックがいる。両者ともに対戦したくなかったはずだけどね。」

マッケンローは自国アメリカの選手に期待を抱いており、第５シードのロディック、第６シードのブレーク、またコネチカットで行われたパイロット・ペンで活躍したＭ・フィッシュ（アメリカ）もいる。

マッケンローは「肉体的にはロディックはいい状態にある。一生懸命練習している。ロディックはシンシナティの大会でひどい試合をしたが（４回戦でＤ・フェレール（スペイン）に敗退）、それまではこの夏はいいプレーをしていた。でもシンシナティの影響はそんなにはないと思うし、彼はニューヨークでプレーするのが大好き。またワシントンやカナダの大会でもいいプレーをしている。」と話した。

また「ロディックは準々決勝でフェデラーと対戦することになることを喜んでいるとは思えない。でもポジティブに考えたら、フェデラーと対戦するのは後よりも先がいい。というのは、フェデラーは大会が進むにつれてギアアップしてくるからね。でもフェデラーとしてはもう一方の山に入りたかっただろうけど。」と述べた。

ブレークもフェデラーと同じ山に入っている。ブレークはシンシナティの大会で決勝まで進んだものの、フェデラーにストレート負けを喫した。ブレークは「フェデラーのプレーは信じられないね。多くの人が折に触れてフェデラーは倒せそうだと言ってきたと思うけど、コートでの彼は結局無敵。グランドスラム大会になると彼の無敵さは尚更だね。彼の決勝での戦績がそれを物語っているし、大舞台で強豪と対戦するときのフェデラーのプレーは素晴らしい。」と話した。

「残念なことに、僕が対戦するときはフェデラーはいつもそんな感じなんだ。これは幸運とも不運とも言えるのさ。というのは、フェデラーと対戦していることは、その週は自分も調子がいいということだからね。でも不運なのは、彼が僕と対戦するときはいつも本気だということ。状況は厳しいけど、対戦を続けていけば、いつかは勝てるはずさ。」